「ゴルフを広めたい」。16日、女子ゴルフの青木瀬令奈(26)、岡村咲(26)、SKE48の山内鈴蘭(24)が浦安市内のホテルで開催した、ファンイベント「チョコっとゴルフミーティング」を取材した。青木が発案し、友人だった岡村や山口が賛同し、17年から始めたイベントで今回が2回目。約3時間、正直、選手らで作るイベントで、「間が持つのかな」(失礼)との思いも頭をよぎったが、見事に裏切られた。

トークショーはもちろん、撮影会に質問コーナー、スラッグゴルフやプレゼント抽選会とファンが参加できる企画がめじろ押し。最後は、約150人のファンとハイタッチをして終了したが、もうアッという間。完成度の高さは目を見張った。

本業のプロ活動があり、普段から多忙を極める3人。それでも、電話やグループLINE(ライン)で意見を出し合い、綿密に昨年夏から企画を進めてきた。会場探しやグッズの考案、当日の運営などのほとんどを3人で決めた。メーカーや所属先が企画する従来のものとは違い、まさに3人の手作り。その労力は計り知れないが、なぜ、ここまで手作りにこだわるのか? 質問を投げかけると、3人は口をそろえて前述の「ゴルフを広めたいんです。それが一番です」と即答した。「ほかにイベントやトークショーなどはあるが、整えられたところに行ってしゃべっても距離が縮まらない。ゴルフをすべての上で愛してくれる人がこのイベントから出てくれることを願っています」と思いを伝えた。

競技を通して成長していると話す青木。最後のあいさつでは「ゴルフをすると人脈が増えるし、人生が豊かになる」と話した。畑岡奈紗ら黄金世代の活躍で再び、脚光を浴びつつあるとはいえ、競技人口はピーク時の2/3まで減少しているとも言われている。だからこそ、選手という立場で何かできないか? プレーはもちろんだが、イベントを通して興味を抱いてもらい、見るから、やるスポーツへと変わるきっかけにしてくれれば、と願っている。

終始、笑顔のイベントだったが、その表情の裏に隠した3人の競技への情熱は深い。久しぶりにクラブを握ってみようかな、そう思わせてくれるイベントだった。【松末守司】