岩田寛(35=フリー)が日本人最速となる通算16試合目での初優勝を逃した。後半11番で一時はトップに並んだが、3バーディー、3ボギーの72と伸ばせず、通算14アンダー、273の4位。ツアー通算42勝のフィル・ミケルソン(米国)と最終日最終組で優勝争いを盛り上げ、トップ10入りで次週ノーザントラスト・オープンの出場権も獲得。シード確保へ弾みをつける一戦となった。ボーン・テーラー(米国)が同17アンダーで11シーズンぶりのツアー通算3勝目を飾った。
最終18番パー5、岩田が優勝するにはイーグルでプレーオフに持ち込むしかなかった。入れにいった35ヤードの第3打はグリーンに届かず、夢はついえた。「あ~、悔しい。なんか情けない。あきれています、自分の下手さに」。チャンスはあっただけに自分を責めた。
首位と1打差の16番パー4。第2打をグリーン右のラフに外した。ピンまで10ヤードの難しいアプローチはわずかに強く3メートルオーバー。パーパットは右に切れた。残り2ホールで2打差となる痛恨のボギーだった。「12番から1回もパーオンしていない。アイアンが悪くてしのぐだけ。16番から気持ちを切り替えて攻めていったけど…」。勝負どころでの失速。スタートから苦しみながら要所で粘り、18番のバーディートライまで優勝の可能性を残したミケルソンとは対照的だった。
経験の差を見せつけられる形とはなった。それでも、能力の高さを証明した。グリーンサイドのバンカーから2打以内でカップインする「サンドセーブ率」、パーオンしたホールの平均パット数はともに1位。再三ピンチを救った小技に加え、けれん味のないスイングは現地中継局の放送でも「教科書のようだ」と絶賛された。昨年8月の全米プロ最終日で同組だったミケルソンは一緒にプレーしたことも覚えていなかったというが、今度こそ鮮烈な印象を残したことは間違いない。
フェデックスポイントランクは前週より69位上がって72位。ツアールーキーとして最初の目標となるシード確保へ前進しても「安心したことはないですね。日本でも。(ただ)4位だなって感じです」と首を振った。本人が「唯一うれしい」と言ったのは、出られなかったはずの次週出場権を獲得したこと。東北福祉大の後輩、松山も参戦する。史上初の日本勢米ツアー2週連続制覇はならなかったが、今度は日本人同士の優勝争いに期待がかかる。

