男子プロ川岸良兼の次女でプロ転向3年目の川岸史果(22=加賀電子)が8バーディー、1ボギーの65と猛チャージを見せた。

 「昨日も調子は良かったけど、風に苦しんだので。今日はほぼ無風でできたのが良かったです」

 6バーディーが3メートル以内のチャンスを決めたもので、アイアンが切れた。残り2バーディーは9メートル、8メートルとロングパットをねじ込んだ。

 この日キャディーを務めた母麻子も女子プロゴルファー。ツアー6勝の父と違ってツアー優勝こそないが、アマチュア時代は日本女子アマ優勝、日本女子オープンのベストアマというビッグタイトルを手にしている。

 プロを意識し始めたころ、ゴルフ界で「怪物」と騒がれた父から「プロになったら、いいときも悪いときも必ず『川岸良兼の娘』と言われる。それが嫌ならやめておけ」とクギを刺された。10歳でゴルフを始めて間もなく250ヤード近いドライバーショットを打てるようになるなど非凡な才能はあった。

 15年にはTPD(トーナメント・プレーヤー・ディビジョン)登録でプロ転向した。しかし、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)のメンバーとなるためのプロテストは3度失敗。昨年、4度目の挑戦でやっと合格した。

 2度目に失敗した時には父に「もう諦めろ。今は若い子がどんどん出てくる。オマエはもう遅いよ」と突き放された。一方で母麻子は「良兼はプロテストに一発合格してますから(史果の)気持ちが分からないところがあるんだと思う。私は1度失敗して、2度目で合格しましたから」と後押ししてくれた。心強い両親がいたから、夢をかなえることができた。

 「テストに合格したことで、安心感が持てるようになりました。これでLPGAの会員になれたんだって」。挫折を乗り越えてつかんだステージで、早くも優勝のチャンスが巡ってきた。日大高で同級生の松森彩夏は昨季初優勝、同学年の鈴木愛はすでに国内メジャーの日本女子プロで2度も勝つなどトッププロになっている。「悔しい思いはありました」という川岸は「狙える位置なので、優勝目指して頑張りたい」。遅れてきた“怪物の娘”は一気に晴れ舞台に駆け上がるつもりだ。