プロ8年目の蛭田みな美(26=ユアサ商事)が、初優勝を飾った。初めて最終日を首位で迎え、5バーディー、2ボギーの69と3つ伸ばして回り、通算13アンダー、203。同じく最終日を首位から出た西郷真央とともに、昨年大会で岩井千怜が記録した、パー72における大会コース記録と並んだ。その西郷とのプレーオフを、1ホール目で決着をつけた。

一時は同じく首位から出た西郷を1打差追う展開だったが逆転した。その後、一時は後続に2打差をつけたが、18番をボギーとして西郷に並ばれたが勝ちきった。日米で優勝者が続出する、1学年下の98年度生まれ黄金世代とは対照的に、蛭田らの97年度生まれの日本人としては、永井花奈が17年10月に勝った樋口久子・三菱電機レディース以来、2人目で2勝目。同世代を通じても、久しぶりの優勝となった。

前半は、4番パー4で、チップインバーディーを決めて勢いに乗った。ピンまで20ヤードからウエッジを振り抜くと、そのままカップイン。最初のバーディーで大歓声を呼んだ。5番パー3は、バーディーパットこそ決めきれなかったが、ピン手前2メートルの上りのパットを残す、絶好のティーショットを放つなど、調子の良さを継続した。

7番パー4では、第2打を3メートルにつけて2つ目のバーディーを奪った。8番パー4では、5メートルのパーパットの残す大ピンチだったが、これを決めて乗りきった。すると、このホールをボギーとした同組の西郷に追いついた。さらに9番パー5では、第3打を1メートルにピタリとつけ、3つ目のバーディーを奪って単独首位で折り返した。

多くの選手が伸び悩んだインコースの後半も耐えた。10番で西郷に再び追いつかれた直後に、11番パー4で長いパットを決めて4つ目のバーディー。単独首位に立ち直した。伸ばしたいパー5の15番で、第3打でグリーンを外し、難しいラフに入れてボギーとしたが、それでも単独首位を譲らず。すると難しい16番パー4で、バウンスバックに成功した。4メートルのバーディーパットをねじ込んだ。このホールでバーディーを奪ったのは2人だけ。勢いに乗って後続に2打差をつけたが、その後は苦しんだ。

18年に下部のステップアップ・ツアーで1勝したが、レギュラーツアーでは目立った活躍はできなかった。最終日を最終組で回るのも、3位から出て最終的に9位だった20年9月のゴルフ5レディース、2位から出て最終的に17位だった22年10月の富士通レディースに次いで3度目。年間50位以内に与えられるシード権は、これまでに1度も獲得したことはなかった。プロ8年目で「一番いい」という今季は、年間を通じた活躍度を示すメルセデス・ランキングで37位。初のシード権獲得を目指していたが、初優勝したことで、今季終了を待たず、いち早く来季の出場権を獲得した。

日常生活では「ほとんど怒ることはないです」という、おっとりとした性格の持ち主だ。だが「ゴルフの時だけはイラッとします」と、第1ラウンドでは、3パットでボギーを先行させたが、怒りをエネルギーにして、6アンダーで首位と3打差の3位発進した。第2ラウンドでは、雷雲接近で45分間の中断中に、姉から送られてきた猫の動画を見て楽しんだ。第1ラウンドとは逆に、落ち着いた精神状態が、中断から再開後の4ホールで3バーディーという猛チャージにつながった。出身は福島県鮫川村。優勝すると、キャディーを務めた父宏さんと、喜びを分かち合った。