ワールドカップ(W杯)開幕まで5カ月を切り、前日本代表ヘッドコーチで、優勝候補イングランド代表を率いるエディー・ジョーンズ監督(59)がインタビューに応じた。15年大会で、24年間勝利のなかった日本を歴史的3勝に導いた名将が、現在の日本代表、W杯で勝利するための組織論などについて語った。

インタビューで考え込むジョーンズ監督(撮影・滝沢徹郎)
インタビューで考え込むジョーンズ監督(撮影・滝沢徹郎)

絶対的な信念と、変化を恐れない姿勢。それがジョーンズ監督の指導の根底にあると感じた。指導者としての究極は「最初の1分から最後の1分まで、自分が試合をコントロールすること」。15年時の代名詞「ハードワーク」を自身にも課し、信念のもとに周囲との衝突も力に変えていくスタイルは“剛”。だが、方法論は“柔”ともいえる。

日本代表HC時代、総合格闘家の高阪剛氏にタックルの指導を請い、プロ野球巨人の原辰徳監督からメンタル面の教えを受けるなど、必要と思えば、指導は枠にとらわれない。イングランドでも、ミーティングに過去の代表主将を呼ぶなど、常にチームに刺激を与える手法は変わらないという。人選のポイントを聞くと「自分より賢い人」と笑って答える。険しい表情でラグビーを語り、ユーモアを交えて場を和ます。柔と剛。世界的名将の奥深さを垣間見た気がする。【奥山将志】