ラグビー

南ア嫌がる「低い」チョップタックルが鍵/沢木敬介

日本は低く、速く、豊富な運動量で戦え-。ラグビーW杯で南アフリカとの準々決勝(20日、東京・味の素スタジアム)を控えて、前サントリー監督の沢木敬介氏(44)が提言した。

アイルランド戦でタックルするリーチ・マイケル(2019年9月28日撮影)
アイルランド戦でタックルするリーチ・マイケル(2019年9月28日撮影)

1次リーグ4試合でラインアウト成功100%という「高さ」を警戒し、相手の嫌がる「低い」タックルに期待した。日本代表は18日、準々決勝のメンバーを発表。前回大会でコーチとして南アフリカ撃破に貢献した知将は「チャンスはある」と言い切った。

   ◇   ◇   ◇

過去2回優勝の強国、南アフリカだが、日本にも十分にチャンスはある。もちろん、前回大会とは状況も違うし、今大会前のテストマッチでも敗れている。難しい相手であることは間違いないし、スコットランドのように「普通に」勝てるチームではない。がっぷり組んでは勝てない。だからこそ、日本らしい戦い方をして勝利を目指したい。

カギを握るのはタックルだ。南アの選手は足もとに低く入るチョップタックルを嫌がる。日本のチームでプレーする選手はみな「嫌いだ」という。低いタックルを受けることに慣れていないから、日本が得意とする低いタックルは効く。

体格で劣る日本にとって、低いタックルは大きな武器だ。最近は選手のフィジカルが世界レベルに近づき、上半身狙いでも止められるようになった。今大会も足もとへのタックルは減っている。しかし、フィジカルが圧倒的に強い南ア相手に上半身にいったら吹き飛ばされる。まずは低いタックルで止めることだ。

もちろん、止めた後の2人目のタックルも重要。相手のボールを殺し、奪い取る。そして、この動きを素早く、何度も繰り返して行うこと。低く、速く、強度のあるプレーを繰り返すことで相手が嫌がり、日本の勝機が生まれる。

フィジカルの強さ、そして高さは警戒が必要。今大会の南アは、ラインアウトの成功率が4試合とも100%。驚異的というしかない。相手ボールも2割近く奪っている。トライは1次リーグ最多の29奪っているが、起点はラインアウトが12と圧倒的に多い。スクラムを含めてセットピースからの攻撃は要注意だ。

だからこそ、高さではなく低さで勝負。ラインアウトが獲得されるのは仕方ないが、その後のディフェンスは重要。簡単にモールをつくらせず、低く当たって前進を阻む。「低く」はそれだけではない。スクラムも低さがカギだし、すべてに低いプレーを心がけるべきだ。低さが、南アの高さを封じる武器になる。

大会前に7-41で敗れたが、点差ほど内容に差はなかった。日本もかなりチャンスは作れたし、それを決められるかどうかだ。この時は日本もキックを多く使ったが、今回はそうはしないだろう。南アは蹴ってくるだろうが、それに付き合うことなく素早いテンポのパスで攻めるべきだ。

1次リーグの南アは、初戦でニュージーランドに敗れながらも、その後は強さが目立った。ただし、やり方ははっきりしている。キックを使いラインアウトなどで攻めてくる。バックス陣は個々の力で突破する。日本としては的が絞りやすい。強いけれど、戦いやすい相手だともいえる。

1次リーグではアイルランド、スコットランドに勝った。ただ、過去に優勝2回の南アの強さは別格といえる。それでも「低さ」を徹底すれば、十分にチャンスはある。勝ち点計算などがある1次リーグに対し、今度は負けたら終わりのトーナメント戦。さらなる日本の飛躍に期待したい。

南アフリカ戦の後半、トライを決めるWTB松島幸太朗(2019年9月6日撮影)
南アフリカ戦の後半、トライを決めるWTB松島幸太朗(2019年9月6日撮影)

◆沢木敬介(さわき・けいすけ)1975年(昭50)4月12日、秋田県男鹿市生まれ。秋田経法大付(現明桜)高—日大を経て98年にサントリー入り。SO、CTBとして活躍した。06年から6年間、サントリーでコーチを務め、13年にU—20日本代表監督に就任。15年W杯ではコーチとして南アフリカ戦勝利に貢献した。16年にサントリー監督に就任してトップリーグ連覇後、昨季限りで退任した。

写真ニュース 一覧

おすすめ情報PR

ツイッター

担当記者のつぶやき

ランキング

記事ランキング

    写真ランキング

      コラム一覧

      新着コラム一覧