◇2012年ロンドン大会フェンシング男子フルーレ団体(8月5日・エクセル展覧会センター)

 初戦で中国、準決勝でドイツといった優勝候補を撃破。準決勝のドイツ戦。3点リードで迎えた太田雄貴が1度は逆転を許すが、残り1秒で、40―40の同点。サドンデスの延長では3度のビデオ判定の末に41―40で競り勝ち、メダルを確定させた。

 太田は08年北京大会で日本フェンシング界初の個人銀メダルに輝いた。その後は陸上の為末、水泳の北島、柔道の野村、女子サッカーの澤と次々に人脈を広げて、講師として招き「戦う心」をチームに注入してきた。個人戦は3回戦で敗れたものの、北京大会では実施されなかった団体で、メダルをもたらした。

 決勝では王者イタリアに敗れて銀メダル。太田は悔しさとともに「僕はもう人生でメダルを取ったことがある。でも、ほかの3人は取ったことがなかったので、何とか首に掛ける物をプレゼントしたかった。果たせて良かった」と充実感に浸った。(2015年02月25日東京本社版掲載)