自転車BMXフリースタイル・パークで今夏のパリ五輪代表に内定している中村輪夢(りむ、22=ウイングアーク1st)が、五輪でのリベンジを誓った。11日、練習拠点の京都・宇治市内で練習を公開。昨年8月に設置されたサウナで“整う”姿も披露して、リニューアルされた「秘密基地」を紹介した。金メダル候補として臨みながら5位で悔いを残した21年東京大会から3年。好環境で積んだ努力を自信に、今度こそパリでは金メダルをつかみ取る。

2大会連続五輪出場を決めた中村は、ただ金メダルだけに視線を向けている。「気持ち的にも、練習の感じ的にもいい感じ。早く大会で出したい」。パリは「リベンジ」の場。自信に満ちた様子で「全然勝てるくらいの仕上がり」と笑った。

初出場の21年東京大会は5位。「ほかの大会とは違って『また来年』と思えない。感じたことない緊張があった」。自国開催の上に新種目として注目され、期待を背負いすぎた。

それから3年。環境もアップデートされ「前回(五輪)から今まででは一番」と手応え十分だ。複数のジャンプ台や斜面、壁が設置された人工施設を自転車で走り、技の難度や独自性を競う競技。20年1月に地元・京都に約4億円をかけて建設した本格的な専用練習場を2度改修。ジャンプ台の角度を緩やかにすることで難度を上げ、高さも1メートル80センチから2メートルへ調整した。さらに、体を癒やすサウナ小屋も建てた。

「サウナは本当に疲れがとれます」。「全試合見ている」というほどの熱烈なプロ野球阪神ファン。試合の開始時間に合わせてサウナに入り、タブレットで観戦する時間が一番の休息の時間。友人と初めてサウナに入ったときは「暑い。早く出たい」と良さがわからなかったが、今では練習終わりのルーティンになっている。

日本勢初制覇を果たした22年世界選手権の成績によって今月1日に代表に選出され、リベンジの機会を得た。周囲の期待を背負う22歳は「前回は『なんや、メダル取らないのか』となった人も多いと思うので、今回こそ」と雪辱を誓う。

抱き続けた「金メダルを取る」の実現は「本番のお楽しみ」と隠し持つ新技でもくろむ。「1~2年前に初めてできて。昨年の大会全部終わったくらいからパリで(やりたい)と思った」。「誰もやってないやろ」と自負する大技。新たな武器をひっさげてパリへ乗り込み、3年前のリベンジを果たす。【竹本穂乃加】

 

◆中村輪夢(なかむら・りむ) 2002年(平14)2月9日、京都府生まれ。名前の輪夢はBMXショップを経営する父辰司さんが自転車の部品「リム」から付けた。3歳からBMXを始め、5歳で大会初出場。17年からシニアに転向し、第1回世界選手権7位。19年には初の年間王者に輝き、21年東京大会では5位入賞。22年世界選手権で日本人初の優勝を遂げた。

◆BMXフリースタイル・パーク 08年北京大会から実施されているスピードを争うBMXレーシングと異なり、技を競うフリースタイルの1種目で、21年東京大会で初採用された。高難度のトリックを組み合わせた1分間のランを2回行い、ジャッジによる採点で上位を採用する。男女各12人による予選を行い、上位9人が決勝に進出。パリ五輪はコンコルド広場で、男女ともに、30日に予選、31日に決勝が行われる。

◆東京五輪VTR 決勝1回目。持ち技の中では難度が落ちる後方宙返りの複合技で着地時に足をついて大きく減点。五輪用に用意した大技の1つ、横2回転しながら1度手を離し、さらにハンドルを1回転させる技は成功したが、後方宙返りしながらハンドルを左右に計3回転させる難技は回転不足。9人中6位発進となり、2回目も得点が伸びず5位。20年9月に骨折した左かかとの痛みが大会直前から再発して万全の状態で挑めず、不本意な結果となった。