坂本選手は少し緊張を感じました。滑走順で1人前の長洲選手が素晴らしい演技をして会場が盛り上がり、その空気の中に入っていったこと、加えて初めての五輪での演技という状況が重なったからでしょうか。冒頭の連続3回転は流れの中で跳ぶ感じが少し足りなく、勢いがないかなと感じる入りで、単発ジャンプになってしまいました。持ち味のはつらつさ、元気の良さよりも、慎重な様子が見受けられました。

 後半に入ってからは、本来単発ジャンプを連続にして巻き返すなど、前半をリセットして集中できていたと思います。やはり4年に1度は特別な舞台。他選手の姿や、観客の盛り上がりなどを目にして、気持ちも動きます。団体戦で五輪の空気感を体感できたことをプラスに、それを個人戦でコントロールしていきたいですね。特に団体戦に出場した男女4人は全員初出場。とても大きな経験だったと思います。女子は1度日本に帰りますし、今日の演技で見えたことを良い方向、プラスに変えてほしいです。(カルガリー五輪代表・八木沼純子)