女の子たちは感情が出るし、どの選手にも思いがあるから、こちらも思わずね(もらい泣きした)。本当によかった。おめでとう。高梨沙羅の苦労はチームのみんなが知っている。これが、男子の勢いにもつながる。

 昼間は強風で、どうなるかと思ったけれど、夜になって弱くなった。いいコンディションで、結果的には実力通りの順位になったと思う。ただ、伊藤の時だけは風が追った。本来ならメダル争いに絡む実力。4年間、高梨と同じ思いで頑張ってきただけに残念。運が味方しなかった。

 高梨1人が勝っていた時と違って、全体がレベルアップしている。日本勢の層も厚くなってきたし、海外勢も強い選手が出てきた。この日の優勝争いは興奮したし、ジャンプ競技の魅力がたっぷり詰まっていた。女子ジャンプにとってターニングポイントにもなる試合だった。

(98年長野五輪ジャンプ・ラージヒル団体金メダル)