小平奈緒選手(31=相沢病院)の最大の進化はストレートの滑りです。もともとコーナーワークは得意で、第1カーブからスピードを上げる一方で、バックストレートでは伸びを欠くケースがありました。それが今はストレートでしっかり氷に力を伝えられるようになった。最初の100メートルも速くなり、バックストレートでも加速できるようになりました。

 フォーム改造もプラスになっています。以前は空気抵抗の軽減を意識するあまり、極端に低い姿勢で滑っていました。前のめり過ぎると、氷を蹴ったとき、ブレーキがかかってしまう。オランダ留学を経て、少し上体を起こしつつも、重心を後ろに下げたことで、無駄なく、氷に力を伝えられるようになりました。た1000メートルで銀メダル。昨季から国内外で全勝を続ける、得意の500メートルの金メダルは間違いないです。(長野五輪女子500メートル銅メダリスト)