女子で世界ランク6位のLS北見が、男女通じて日本勢初の4強に進出した。同2位スイスとの1次リーグ最終戦は4-8。5勝4敗となったが、最終戦を残して唯一並ばれる可能性のあった米国がその後敗れたため、4位で通過した。明日23日の準決勝では首位通過した開催国の韓国と対戦する。男子のSC軽井沢クは韓国に4-10で敗れ、4勝5敗の8位で終戦した。
「ちな(吉田知)はそんなに悪くないって~」。スキップ藤沢は、吉田知を必死で慰めた。「私のショットが全然決まらなくて」と元気印のサードが泣きやまない。98年長野五輪から5大会連続ではね返された壁を破って「ラッキーだった」と口をそろえた。スイスに完敗後、米国が負けたことで準決勝に進出。藤沢は「行かせてもらう形。恥ずかしくない試合をしたい」と言った。
4強進出にはわけがある。4人の平均身長は152・5センチ、セカンド鈴木は日本選手団最小146センチだが、全員がしっかり鍛えている。きっかけは12年。本橋が、旧知の大森達也コーチ(43)をチームに呼んだ。同コーチは岡田武史監督が指揮していたJリーグ札幌でMF今野らを担当。滑る氷上で姿勢を保つことに特化したメニューを考案。その成果は小柄な鈴木が力強いスイープで海外勢から注目されるほどだ。
「何でこんなことやるの? カーリングに関係ないじゃん」
最初はなかなか取り組まなかった。14年ソチ五輪を逃した際、大森コーチが「平昌五輪で勝つため」と言っても「五輪に出てもないのに勝つためって何?」とぽかん。同コーチは「ご飯を食べないで甘い物ばっかり食べて疲れた、疲れたって…」と振り返る。
ただ五輪2度出場の本橋は違った。15年10月の第1子出産時は、数日前まで1日1時間の体幹トレーニングを継続。安産で子宝に恵まれて「先生(大森コーチ)体幹トレが効いたわ。マタニティーの指導やった方がもうかるんじゃないの」と大喜び。そんな姿に、他の選手の意識も変わった。
明日23日は地元韓国と対戦する。8勝1敗と絶好調の相手に唯一土をつけたのがLS北見だ。「悔しいです」と泣き続ける吉田知を横目で見て、藤沢は「泣いても笑ってもあと2試合。ちなも大丈夫だと思います。やるっきゃない」と笑っていた。【益田一弘】
▼リンド・コーチのコメント メダルのチャンスがあるのは、ワクワクする。彼女らのハードワークが報われた。
▼小野寺コーチのコメント ショット成功率は平均より低いので、もう少し上げないといけない。メダルを取れるチャンスをもらった。あと2試合、笑顔で終われるようにショットを決めてほしい。