女子で世界ランク6位のLS北見が、今日24日の3位決定戦で、日本勢初のメダルをかける。準決勝で地元の声援を受ける同8位韓国と激突。スキップは藤沢五月(26)と「メガネ先輩」こと金ウンジョン(27)が対決。延長11エンド(E)の激闘の末に7-8で惜敗。涙を流した。最終戦は銅メダルをかけて、同4位英国と激突する。16年世界選手権銀のチームが過去の栄光を忘れて、初めてのオリンピック(五輪)メダルをつかみにいく。

 藤沢は、目を真っ赤にして言った。「ただ悔しい。言葉にするならそのひとことです」。地元韓国と死闘。第10Eに1点スチールで追いついた延長の第11E、最後の石を中央やや左に置いた。「メガネ先輩」ことスキップ金ウンジョンは、最後の石をさらに中央に寄せた。「もう少し完璧にできたなと。ちょっと泣いてしまった。あのラストショットを決めたスキップがいい選手だった。拍手です。何も言うことはないです」と涙目で言った。

 銀メダル以上は逃したが、執念を見せた。完全アウェーで第1Eに3失点。「五輪(で負ける時は)こんなものかと開き直った」。ピンチの連続で粘りに粘った。本橋は「(同点に)カムバックできたことは、これまで培ってきた後半の強さ」。

 16年世界選手権で日本勢初の銀メダルを獲得。だが小野寺コーチは「勢いでバッといっちゃったし、あの時はブラシのことがあった」。当時は強力な効果のブラシが使用可能で投げがアバウトでもスイープでカバーできた。「自由自在だった。激しく掃くと3投で摩耗して使えなくなるようなブラシ。石を投げる競技なのに氷を掃く競技になった」と同コーチ。強力ブラシは翌シーズンから使用禁止になった。

 藤沢も快挙がイレギュラーだったことを自覚している。翌17年の同選手権は韓国に敗れて、道を断たれた。「昨季の世界選手権に出られてない。銀メダリストなんて言えないです」と慢心しないで全力を尽くす。

 3位決定戦は1次リーグで敗れた英国とぶつかる。美人スキップ、ミュアヘッドに雪辱すれば、日本勢初の表彰台。決勝は逃したが、全力は尽くした。藤沢は「正直まだ悔しいですけど…。明日が最後。小さな頃から憧れた五輪で、メダルをかけた試合をやるとは、正直、思っていなかった。ベストを尽くしたい」と赤い目のままで歴史的な一戦を見据えた。【益田一弘】

 ◆1次リーグ英国戦VTR LS北見の日本は20日に1次リーグ突破をかけて対戦した。第2Eに幸先よく3点を奪ったが、同点で迎えた第6Eに3点をスチールされ、勝ち越しを許した。後半は主導権を握れないまま6-8で敗れた。