スポーツ仲裁裁判所(CAS)はロシアのドーピング問題で1日、国際オリンピック委員会(IOC)が同国の28選手に下した五輪永久追放処分を全面的に否定する衝撃的な裁定を出した。

 平昌冬季五輪(ピョンチャンオリンピック)の開幕が9日に迫る中、混乱は必至だ。

 CASは、国ぐるみのドーピングを告発した元検査所所長のロトチェンコフ氏や、世界反ドーピング機関(WADA)の調査チームを率いて不正を認定したマクラーレン氏の証言も聞いたとしながらも、「選手一人一人を個別のケースと扱い、違反を裏付ける証拠があるかどうかの判定に徹した」と強調した。

 これに対し、IOCは処分の大前提としたロシアの組織的な不正のシステムを「CASが考慮しなかったのは大変遺憾」と反論した。

 IOCは潔白を証明した169選手に個人資格での平昌五輪参加を認めたばかり。ロシアは28選手の参加を求める見通しだが、IOCは裁定が参加を意味するものではないとの立場だ。IOCと同様にロシアの国としての参加を禁じた国際パラリンピック委員会(IPC)の判断にも影響が出そうだ。

 ロトチェンコフ氏の証言を「ほとんどが事実無根」(プーチン大統領)と切り捨ててきたロシア側は反攻に転じ、IOCやWADAへの批判を一気に強めるだろう。IOCは、裁定を「ドーピング撲滅へ重大な影響を及ぼしかねない」と懸念した。