ロシアの国ぐるみのドーピング問題で、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は6日、ロシアの32選手が国際オリンピック委員会(IOC)から平昌冬季五輪出場を認められなかったことを不服として新たに提訴したと発表した。32選手は9日開幕の同五輪への出場を求めており、CASは緊急案件として7日にも聴取を行う見通し。

 32人にはスピードスケート・ショートトラック男子で通算6個の五輪金メダルを獲得しているビクトル・アン選手らが含まれた。

 IOCはロシアの組織的なドーピングを認定して国としての五輪参加を認めず、違反歴がないなど潔白を証明した選手に限り、国歌や国旗を使えない「ロシアからの五輪選手(OAR)」として出場を容認。1月27日に169選手の参加を発表したが、含まれなかった32人が今回決定を不服として提訴した。混乱は開幕直前まで続く見通しとなった。

 これとは別に、2014年ソチ五輪のドーピング再検査でIOCから五輪永久追放処分を受けた42選手が昨年、CASに提訴。CASは1日、うち28選手について処分を全面的に取り消す裁定を出したが、IOCは五輪参加を認めていない。