世界最多8度目の出場の葛西紀明(45=土屋ホーム)が、開会式で日本選手団の旗手として「日本の顔」を務めた。極寒にも負けず、日の丸をしっかり握って先頭を歩き、チームJAPANを鼓舞した。「前回は主将、今回もまた旗手という大役を命じられて本当にうれしく思っている。日本選手みんなが最高のパフォーマンスを出せるように、僕も旗を振ってエールを送りたい」とコメントを寄せた。

 文字通り日本の旗印になる。旗手に決まった時「主将は目立たなかったから旗手で目立ちたい」と笑わせたが、それが理由ではない。銀メダルを獲得した前回五輪。開会式で選手と握手を交わし、大会期間中に他競技を観戦して力をもらったことを忘れてはいない。今度は自分がみんなに力を与える番だ。「いろんな選手に会って勇気づけて力を注入する。日本の力を集結したい」と話す。

 気づかされたことがある。以前は自分優先だったが「それではだめだと分かった。いい雰囲気をつくりたい」。今回も8日の予選、10日の本戦の多忙なスケジュールにもかかわらず出席。日本のため、レジェンドが平昌の夜空に高らかに日の丸を掲げた。【松末守司】