スノーボード男子ハーフパイプの予選が、今日13日に行われる。Xゲームで世界初となる連続4回転を決めた14年ソチ五輪銀メダルの平野歩夢(19=木下グループ)と、五輪2度の金メダルを誇るショーン・ホワイト(米国)との“世界的トップライダー対決”に大注目。06年トリノ五輪代表の成田童夢氏(32)が、金メダル獲得の「勝負のカギ」について語った。

   ◇    ◇    ◇   

 金メダルの大本命は平野選手とショーン選手の2人で間違いない。予選落ちは考えにくく、決勝は高度な技をいくつも出して、見応えのある演技が見られるはず。誰もがテレビ前で「すげー!!」を連発しますよ。

 高さと技の難易度がずばぬけている平野選手は、Xゲームで世界初の「フロントダブルコーク1440」「キャブダブルコーク1440」の4回転を連続で決めて優勝した。HPでは1回の滑りで5、6種類の技を入れるが、平野選手は壁から壁のスピードが落ちないため大技を連発でき、決勝ではこの必殺技を披露するはず。欧米選手と違い、平野選手を含めた日本選手は大勝負というよりも手堅く安定した演技を淡々とするのが特徴。強風により各競技の演技が中断しているが、HPの日本選手は「悪条件」に強い。高く跳ぶため風に流されるが、日本は海外よりも悪天候が多く、そんな環境で練習しているのは強みになる。

 一方、ショーン選手は特殊で他の選手がまねできない技を持っている。先月のW杯では100点満点の圧倒的な演技を披露した。本番ではきっと五輪用の120点レベルの秘技も見せると思う。決勝1本目から他選手が追いつけないレベルの演技で金メダルを決めにくるだろう。その演技を見た平野選手は動揺せず、冷静にいつも通りの演技ができるか。強風や出走順も順位に影響する。悪天候も味方に自分を見失わないことが勝負のカギになる。(06年トリノ五輪代表)

<スノーボード・ハーフパイプ競技メモ>

 ◆ルール 雪の斜面を半円状に掘り下げたコースの中で、縁から5~7回ジャンプする高さや回転技の難度、着地を競う。雪上車でつくられた全長約190メートル、深さ6・8メートルのコースを使用する。

 ◆順位決定 予選は2回、決勝は3回演技してベストスコアで争う。6人の審判が1人100点満点で採点し、最高点と最低点を除いた4人の審判の平均点が得点となる。予選の上位12人が決勝へ進出する。

 ◆日程 女子は12日に予選、13日に決勝。男子は13日に予選、14日に決勝。