鬼塚雅(19=星野リゾート)は冷や汗をかいた。18日、試合会場で公式練習に臨み、縦2回転、横3回転の大技「バックサイドダブルコーク1080」をテストした。1本目は成功したが、その3本目。追い風にあおられ、想像以上の飛距離が出た。着地で転倒。ボードを巻き込むように右肘を雪面についた。その後も、予選で出す逆スタンスで踏み切って2回転半する技「キャブ900」などの練習を続行したが、メニューを終えると右肘を固定し、アイシングを施した。

 14年ソチオリンピック(五輪)の選考会となるワールドカップ(W杯)直前に左手首を骨折し、ソチを逃しただけに再びの悲劇も心配されたが、笑顔で「大丈夫です」と軽症を強調。ジャンプへの影響もなかったという。軽い捻挫とみられ、今後も病院に行かずに調整する。

 15年世界選手権を制するなど活躍を期待された12日のスロープスタイルでは強風で実力を出せず、日本勢最低の19位に沈んだ。気持ちの切り替えは「もうできてます」。ただジェイミー・アンダーソンやジュリア・マリノ(ともに米国)ら海外勢が大技の完成度を高めている。その姿に驚き「ちょっと金メダルは無理かな」と弱気をのぞかせるも「できる技をやるしかない。メダルを取りにいきたい」と語った。【上田悠太】