スピードスケート短距離のエース小平奈緒(31=相沢病院)が1分13秒82で銀メダルを獲得した。高木美帆(23=日体大助手)も3位で続き、日本人女子初のダブル表彰台となった。快挙を達成した2人はレース後、会見を行った。

 -(高木へ)自分は格好良かったか

 高木 3番であることに、悔しさや、もどかしさはあるが、今季の中では一番いいレースができた。

 -(小平へ)ダブル表彰台は日本にとって、自分にとってどんな意味をもつか

 小平 お互い表彰台に上ることができてうれしい思いはあるが、もう1段上で並びたかったと互いに話した。少し悔しい気持ちはあるが、日本のスケート界にとっては、大きな1歩だったかなと思う。私のレースは、タイム的に悪くなかったし、1位のテルモルス選手がただただ強かった。五輪は、強い選手が強い。

 -今季のW杯と、今回の五輪でのオランダ勢の違い

 高木 五輪で勝つ選手は強い選手、とあらためて感じている。でも、レース前も自分のことに集中していたので、周りの選手を気にすることはなかった。いつもと違う、とは自分は感じていない。

 小平 (オランダは)一番上をとる、というチームの雰囲気がある。スケートというスポーツをやるにあたっては、五輪がすべてではない。記録への挑戦という意味では、私たちも世界記録への挑戦を経て、すごく自信を持ってきた。五輪で頂点に立てなかったが、私たちがやってきていることは間違った方向にはいっていないと感じている。私たちにも成し遂げることができるものなのでは、と思っている。

 -(小平へ)高木の存在は

 小平 バンクーバー五輪で15歳で一緒に五輪に出た時には、「この子がスケートを嫌いにならないといいな」という風に思っていた。今こうやって五輪の舞台で競い合うことができて、本当にうれしい。本当にたくましくなったな、という思い。高木選手がはいあがってきた力を、少なからず見てきている。それが自分の力になっている。競技に向かう姿勢を、次の五輪をめざす選手に示すことができたらいい。

 -会場の日本の声援は

 高木 最後の最後まで足を動かす原動力になった。終わった後に歓声をうけて、心にジーンと感じるものがあった。

 小平 こんなに日本の国旗が揺れているリンクで滑るのは初めてなので、すごくうれしく、あたたかい気持ちになった。30歳をすぎているのに「なおちゃ~ん」と聞こえ、いつまでもなおちゃんなんだなと感じた。私たちにはまだ戦うべきレースがある。みなさんの目や心に焼き付くスケートを披露したい。