日本水連は11日、東京オリンピック(五輪)競泳日本代表を発表した。

10日までの日本選手権で内定を得た29人に加えて、大会後の選考委員会による協議の結果、男子自由形塩浦慎理(29=イトマン東進)女子自由形白井璃緒(21=東洋大)増田葵(24=菅公学生服)、池本凪沙(18=イトマン)の4人が追加された。

合計33人の競泳日本代表は、日本オリンピック委員会(JOC)による最終的な承認を得て、他競技も含めた東京五輪日本選手団として、編成される。

塩浦は、400メートルリレーメンバーの5人目として選出された。同種目は100メートル自由形の結果に基づいて、1位中村、2位松元、3位関、4位難波が内定。5位塩浦は内定条件をクリアできなかった。

ただ松元克央は、個人種目の200メートル自由形で金メダルを目標としている。同種目と400メートルリレーは日程が重なっており、日本水連は、塩浦の追加について「同種目の選考選手の個人種目出場による負担軽減を目的として、100メートル自由形種目において次点(5位)となった選手を選考する」と説明。補足として「200メートル自由形において、松元克央選手が2019年世界選手権の同種目優勝記録を上回った(1分44秒65)ことにより、200メートル自由形に集中させ、同選手のリレー種目出場での負担を軽減させることへの特別措置」とした。

塩浦は、日本記録を持つ50メートル自由形も4位だった。昨年結婚した妻でタレントのおのののかに五輪切符を届けられなかった。レース後は「頑張らなかったのは自分。悔しさも正直ない。この感じで続ける必要はあるのか」と大きなショックを口にした。しかし100メートルで5位に入っていたことで、「カツオ」こと松元の金メダル獲得をアシストする役割を期待される形で、2大会連続の五輪代表に滑り込んだ。

女子の白井、増田、池本は、200メートル自由形で2位、3位、4位だった。同種目は800メートルリレーの代表選考も兼ねていたが、リレーでの内定は1位五十嵐のみだった。他種目で代表入りした選手が五輪本番で800メートルリレーを泳ぐ選択肢もあったが、その場合は専門の個人種目以外で200メートル自由形を最大2本泳ぐことになる。選考委員会で協議した上で、200メートル自由形の順位通りに追加される形となった。

日本水連は出場枠を獲得しているリレー種目について、その枠を放棄しない方針を示している。