【家族の力・青柳晃洋】買うより縫う 私立より公立…母の負い目を受け止めた我が子

プロ野球史上初となる、2年連続最多勝&勝率1位に輝いた阪神青柳晃洋投手(28)。2015年ドラフト5位で入団し、今や押しも押されもせぬ存在へと成長しました。中学軟式野球部から川崎工科高(神奈川)―帝京大と、決して野球エリートの道を歩んできたわけではありません。女手一つで育て上げた、母・利香さん(58)がプロ入りまでの二人三脚の日々を明かしました。

プロ野球

◆青柳晃洋(あおやぎ・こうよう)1993年(平5)12月11日生まれ、神奈川県出身。川崎工科高―帝京大を経て、15年ドラフト5位で阪神入団。変則サイドからの投球でエース格に成長。21年は東京五輪日本代表として金メダル獲得。シーズンでは最多勝と最高勝率で初めてタイトルを獲得した。今季は最優秀防御率、最多勝、最高勝率の投手3冠。2年連続で勝率1位&最多勝は、オリックス山本と並んでプロ野球史上初。今季の推定年俸は1億2000万円。183センチ、83キロ。右投げ右打ち。

海から昇る太陽のように

産声をあげた時から、晃洋の親孝行は始まっていた。1993年12月11日、神戸・垂水の病院で誕生。2990グラム。健康体だった。

利香さん3000グラムになったら産むの大変って、周りから言われていたんです。『3000までよ、3000までよ…』っておなかに言い聞かせていたら、2990やったんです。生まれた瞬間から親孝行ができる子でした。

ヨット乗りだった祖父の影響もあり「洋」が名前に入った。海から昇る太陽のように輝いてほしい―。「晃洋」には、そんな願いが込められた。

幼少期の青柳と母の利香さん(写真はすべて利香さん提供)

幼少期の青柳と母の利香さん(写真はすべて利香さん提供)