【伝え方が9割】7年ぶりロッテ・サブロー2軍監督「僕らの分まで完全日本一を」

ロッテに「サブローーーーーーーーーー」が帰ってきた! サブロー2軍監督(46)が、今季から7年ぶりにロッテのユニホームを着ました。16年に引退するまでロッテファンに愛されて続けた男が、今度は後輩たちと一緒に勝率1位のリーグ優勝に挑みます。引退後の6年間はロッテのスペシャルアシスタントだけでなく、楽天でファームディレクターやスカウティングアドバイザーも経験。22年間の現役生活とは違う気持ちで縦じまのユニホームに袖を通した思いをインタビューしました。 

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日刊スポーツ「編成部長」

――7年ぶりにロッテのユニホームを着て、どんな気持ちで過ごしていますか

正直、うれしいですよね。それがまず一番。でも着たら着たで、ユニホーム着るのはこんなに疲れるんだっけなあとも思いますね。

――ユニホームの重みなど、ロッテや楽天のフロントや評論家として過ごしたこの6年間とは、やはり気持ち的には違いますか

評論家とかスカウトとかフロント業務をやっている時は、そこまで人のことは考えなくてもいい。でも、チームのスタッフ、2軍監督は全体的なことを見なくてはいけないので、観察能力というところ。それを上げていこうとすればするほど疲れが出てくる。

石垣島春季キャンプで練習を見るサブロー(大村三郎)2軍監督。これまで以上に「観察能力」を意識している=2023年2月

石垣島春季キャンプで練習を見るサブロー(大村三郎)2軍監督。これまで以上に「観察能力」を意識している=2023年2月

◆大村三郎(おおむら・さぶろう)1976年(昭51)6月1日、岡山市生まれ。PL学園から94年ドラフト1位でロッテ入団。「つなぎの4番」として05、10年の日本一に貢献。11年途中に巨人へトレード移籍も、同年オフにFAでロッテ復帰。16年に引退後、ロッテのスペシャルアシスタントに就任。20年から楽天ファームディレクター。通算1782試合、1363安打、127本塁打、打率2割6分5厘。ゴールデングラブ賞2度。ロッテでは登録名「サブロー」。現役時代は181センチ、90キロ。右投げ右打ち。

――ユニホームを脱いでいた6年間はサブロー2軍監督にとっては、どんな6年間でしたか

アマチュアを見られる機会も多かったですし、ファーム(2軍)の選手を見る機会も増えたんですね。スキルの1つとしてファームの若い選手と友達感覚でしゃべれるようになったんですよ。彼らも僕も友達だと思っているくらいの感じで(笑い)。僕がロッテにそのままいてコーチとかになっていたとしたら、たぶんそういう対応は出来なかったと思う。そういうところは、いろいろなところを見て、いろいろな人と接して、良かったなと思います。僕のスキルとして役立つなと思う。

日本シリーズ2010第5戦で中日中田賢一から左越えに2点本塁打を放つ。史上初めてリーグ3位からCSを勝ち上がったチームは4勝2敗(1分)で5年ぶりに日本一を達成した=2010年11月4日

日本シリーズ2010第5戦で中日中田賢一から左越えに2点本塁打を放つ。史上初めてリーグ3位からCSを勝ち上がったチームは4勝2敗(1分)で5年ぶりに日本一を達成した=2010年11月4日

――当然、そのスキルは2軍監督としての立場でも生かせるところはあると思いますけれど、若い選手が友達感覚で話をしてくれることで得られたものはどんなところですか

本心を聞き出せる。僕らが若い頃は「大丈夫か?」と聞かれたら、「大丈夫です」としか言えなかった。でも今の子は「きついです」とか言ってくる。やっぱり選手もコーチを見ていて、例えば怖めのコーチ、優しめのコーチがいる。怖めのコーチには「大丈夫です」としか言われへんけれど、本音は違うんですよね。そういうところは引き出せるかなと。まだ始まったばかりですけれど、積極的にコミュニケーションをとりにいけば、時間はかかるかも分からんけれど、そういう本心が聞けるかなと思ってはいます。

――サブロー監督ご自身の認識では怖めの先輩、優しめの先輩だったんですか

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