その他野球2023.06.23 11:00

久我悟

◆廣畑実(ひろはた・みのる)1993年(平５）８月27日生まれ、大阪府出身。大阪桐蔭の内野手として２年のセンバツに出場。秋から主将を務める。１学年下に藤浪晋太郎（アスレチックス）らがいた。亜大―ＪＲ東海と進むも、右肘故障の影響で16年に現役引退。退社後に野球塾、オンライン指導など小、中学生に野球を教える。19年９月にYouTube「ミノルマンチャンネル」を開始。650本以上配信し、現在10万3000人の登録者数は野球技術指導動画としては最大。168センチ、75キロ。右投げ左打ち。

少年の悩みとバット投げ

あっ、巨人だ…。体験入塾の守山泰生さん（小6）は、東京・墨田区の軟式野球チームの投手兼捕手兼三塁手。ジャイアンツのシャツにアレルギー反応を示すのは、パ・リーグ球団しか担当していない私だけ。大阪出身でもミノルマンは巨人びいき。「10チャン（大阪・よみうりテレビ）で毎日やっていたのが巨人戦だったから」という。

地上波からナイター中継が消えて久しいが、「巨人戦全試合中継」のギリギリ最後の世代なのかもしれない。

余談はそこまで。泰生さんは相談したいことがあった。「バッティングで詰まってしまうんです」。見守っていたお父さんもうなずいた。

物静かな紳士は、泰生さんのチームの監督さん。親子の悩みはチームの共通テーマに違いない。ここからのレッスンが「神回」になる予感が…。大当たりだった。

久松宏輝トレーナー（28）が体の動きをチェックすると、ミノルマンも一通りスイングを確認した。オンライン指導の経験があるから、のみ込みが早い。大きく強く振った反動で（写真1）、バットを体の前に戻す（写真2）。見本を見せると泰生さんが息をのむ。動画で感じる以上の生スイングのド迫力!！

写真1

写真2

ティー打撃でもいつもより足を高く上げて、強めに踏み込ませた（写真3）。「下半身の役割はここまでやで」。そこから先はひじから先にスムーズに力を移していく。

写真3

そこでカラーバットの登場だ。「振り切ったらバットを放り投げて!！」。泰生さんは振り戻したバットを、左中間方向に宙高く放り投げた（写真4、5）。

写真4

写真5

カラーバットを普通のバットに変えると「今度は背中側やで!！」と三塁側に。ネットにぶつかったバットが「カランコロン」と人工芝にはずんだ（写真6）。

かつての中畑清のよう…かなり古いなあ。原監督が現役時代…これも古いぞ。バット投げが似合う選手が少なくなってきた。こんなG戦士が出てきたら、一気に好きになっちゃいそうなほど、泰生さんのスイングはかっこよく生まれ変わった。

写真6

詰まっていい

つまり…バット投げと打球のつまりの関係は？

ミノルマンバッティングは詰まっていいんです。泰生はもともと体の近くで打つタイプで、詰まる打ち方なんです。詰まってもいいから、フィニッシュで腕が伸びるようなスイングを作っていけばいいから、バットを放るぐらい振らせました。一連の流れができてないと、うまく放れないんですよ。

えっ、詰まってもいいって、つまり…。

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