【最重要人物】ヤクルト3連覇へ 奥川恭伸「交流戦明けぐらいを目標に」/連載〈6〉

右肘痛からの完全復活を目指すヤクルト奥川恭伸投手(22)が、1年以上前から今なお続く1軍マウンドへの再起の道について、思いを語った。話を聞いたのは実戦復帰4試合目となったイースタン・リーグ西武戦(17日)後。復帰後、最長の4回 2/3 、最多の73球を投げ、8安打3奪三振5失点だった。「交流戦明け」の6月下旬を1軍復帰の目標と掲げつつ「投げられていること自体がうれしくて、楽しい」と野球ができる喜びもかみしめていた。

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◆奥川恭伸(おくがわ・やすのぶ)2001年(平13)4月16日生まれ、石川県出身。小2年から宇ノ気ブルーサンダーで野球を始め、宇ノ気中では軟式野球で全国優勝。星稜では1年春からベンチ入りし、4季連続の甲子園出場を果たした。19年ドラフト1位でヤクルトへ。21年に9勝と台頭し、日本シリーズ初戦に先発。オリックス山本と緊迫した投手戦を展開した。22年に右肘を痛め、再起を図っている。好きな言葉は「置かれた場所で咲きなさい」。趣味は釣り。家族は両親と兄。183センチ、84キロ。右投げ右打ち。

1年以上ノースロー 復帰4戦目

――実戦復帰4試合目の投球テーマは

奥川まずは70球を無事に投げ切る。それが1番のところで、ゲーム感覚などを、ちょっとつかめたらなと。実戦に徐々に近づけていかないといけないので、そういうところをやろうかなと思ってました。

――目指しているところは先発投手として1試合投げることを想定している

奥川そうですね。先発としてゲームをしっかりつくるというところ。その中で、バッターとの対戦感覚だったりをちょっとずつ、つかみたいという気持ちで投げてます。

――復帰後4度目の登板。対打者の感覚は

奥川まだまだですね。30%ぐらいというところ。

まだ、打ち取る球から逆算しての配球の組み立て方とか、バッターの反応を見てボールを決めたりとか、そういうところがつかみきれていない。

5月17日、カーミニークスタジアム

5月17日、カーミニークスタジアム

でも(この日の試合)序盤、ヒットを打たれていましたけど、そういうことができた場面もあった。

まずは元気に終われたので、次につながる。次は今日よりももっといい内容にしていきたいという気持ちですね。

――投球術の感覚をさらに養っていきたい

奥川そうですね。カウントはこちらが有利なのに、ちょっと何を選択していいのか分からないとか、自信を持っていいところなのか、どうなのか。

迷いながら投げるところがすごく多かったので、その辺がまだ慣れない感じがする。(最後の登板から)1年間空いてまだ4回目なので。そう簡単にはいかないかなと。もう少し、まだちょっと遠いのかなという感じですね。

――迷いながら選択していると球にも影響する

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