【かなだい歓喜の言葉〈FD編〉】「やっとできた」「1つ1つが幸せ」溢れ出た数々の思い

フィギュアスケート世界選手権のアイスダンス・フリーダンス(FD)が25日、さいたまスーパーアリーナで行われました。

カップルとして2大会連続出場の村元哉中(30)、高橋大輔(37)組(関大KFSC)は、演技後に抱き合って涙。総合順位は11位。FD115.95点は自己ベストとなりました。

シングル選手だった当時21歳の高橋が07年の世界選手権で演じた「オペラ座の怪人」を、2人の世界観で満員の観衆に届けました。

フィギュア

〈世界選手権〉◇3月25日◇さいたまスーパーアリーナ◇アイスダンスFD115.95点、総合11位

【アイスダンス上位とかなだいの成績】


順位名前SPFS合計
優勝マディソン・チョック / エバン・ベイツ91.94134.07226.01
2シャルレーヌ・ギニャール / マルコ・ファッブリ88.21131.64219.85
3パイパー・ギレス / ポール・ポワリエ87.34130.54217.88
4ライラ・フィアー / ルイス・ギブソン86.56128.17214.73
5ロランス・フルニエ・ボードリー / ニコライ・ソーレンセン85.59128.45214.04
11村元 哉中 / 高橋 大輔72.92115.95188.87

感動をもう一度!かなだいのFD

アイスダンスフリーの演技を終えガッツポーズするかなだい

アイスダンスフリーの演技を終えガッツポーズするかなだい

最後、顔を見合わせ「いけるぞ!」

――演技を振り返っていかがですか

高橋 素直にうれしい。本当にね。ミスなく演技をすることができたし、最後までオペラ座の世界観に入り込んで、エネルギーも切れずに、本当に演技の途中ぐらいから「いける!」みたいな感覚で、久々の感覚でした。しかも今回、自国開催でプレッシャーもすごく大きかったんですけれど、納得のいく、満足のいく演技ができて、うれしく思います。

村元 本当にお互い最初は緊張感あったと思うんですけれど、曲が鳴って、コレオステップを始めたら、オペラ座の世界観に2人とも入り込んでいたなと感じました。1つ1つのエレメンツを丁寧にクリアしていって、最後のダイアゴナルの途中かな。お互い顔を見て笑っていたのかな。

高橋 なんかね「いけるぞ!」みたいな。

村元 「いけるぞ!」みたいな、アイコンタクトがあって。本当にミスなく終えられて、すごくうれしいです。

――会場の雰囲気も盛り上がっていた。演技中、どのように感じていましたが

村元 リズムダンスの方はすごく感じたんですけれど、今回、本当に2人だけの世界に自分が入り込んでいたので「見守られているな」と感じました。終わって、最後のポーズで、お客さんがバァ~ッて(立って声援をくれた)。

高橋 僕も演技に没頭していたというか。演技の時よりも5分間練習の最後に(リンクを)回るたびに「頑張れ~!」って言ってくれていたのが、緊張感は高かったんですけれど、そこで「頑張らなきゃな」という気持ちにさせてもらいました。そこで一番、お客さんの応援を感じました。

ペアフリーの演技を終え声援に応えるかなだい

ペアフリーの演技を終え声援に応えるかなだい

「お互いが納得した演技、このオペラ座が初めて」

――演技を終えて抱擁して涙。おふたりでされていた会話の内容を教えてください

村元 何て言っていただろう…。

高橋 「やっとできた! ありがとう!」みたいな。同じことを繰り返していました。

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大学までラグビー部に所属。2013年10月に日刊スポーツ大阪本社へ入社。
プロ野球の阪神を2シーズン担当し、2015年11月から西日本の五輪競技やラグビーを担当。
2018年平昌冬季五輪(フィギュアスケートとショートトラック)、19年ラグビーW杯日本大会、21年東京五輪(マラソンなど札幌開催競技)を取材。
21年11月に東京本社へ異動し、フィギュアスケート、ラグビー、卓球などを担当。22年北京冬季五輪もフィギュアスケートやショートトラックを取材。
大学時代と変わらず身長は185センチ、体重は90キロ台後半を維持。体形は激変したが、体脂肪率は計らないスタンス。