今年のG1戦線が始まった。参加選手からは「ここからが本番だ」との意気込みを感じる。熊本はかつて滑走路と呼ばれたとてつもなく直線が長い500バンクだった。その流れをくむ設計で400バンクの中でも直線が長い。そして、34度と全国屈指のカントを誇るので、スピード感あふれるレースになりそうだ。

地元勢は、嘉永泰斗を中心に充実期に入ろうとしている。身近な選手がタイトルを取ると、その価値が自分に近づいたような気になる。嘉永の優勝は熊本勢に大きな刺激を与えた。

今日は伊藤旭に焦点を当てたい。モトクロスバイクを経験し、さばきに非凡なものを感じさせる。ただ、今の時代は足かせにもなっている。「若い選手は先行してなんぼ」の価値観で測られやすいからだ。しかし、人には得手不得手があるので、先行で力を付ける道もあるが、ヨコを極め「あいつと取り合っても勝てない」と思わせる武器を磨く選択肢もある。「それなら追い込みで」ではなく、自分の戦法で勝負することが他者との差になる。展開待ちで足を温存するだけでは自分の道を開いていけない。勝負の世界に身を置く以上、後悔のない取り組みでタイトルを狙ってほしい。

ヤマコウ注目の地元・伊藤旭はくまモンポーズ?で気合
ヤマコウ注目の地元・伊藤旭はくまモンポーズ?で気合

1予5Rは志田龍星と杉浦侑吾の先手意欲が強そうだ。足を使わずに敗れるのが最も避けたい形だ。志田と杉浦の踏み合いを見て最低でも中団は欲しい。立ち遅れたらカマシも辞さずのスタイルが次走につながる。臆しない走りで決勝切符をつかんでほしい。

(日刊スポーツ評論家)