からつボートの「開設64周年記念G1全日本王者決定戦」は明日24日から6日間、熱戦を展開する。

 三井所尊春にとっても17年は悲願を達成した年となった。9月の多摩川周年でG1初制覇を達成し、晴れてタイトルホルダーとなった。デビュー17年目での達成は、SGでも活躍する三井所にとっては意外なほど長い旅路となった。しかしそれだけに喜びが大きかったという。

 「やっと取れた、という感じでした。タイトルへの思いは人一倍強いと思ってます。それがようやくかないました」。優勝戦は前日宣言した通りの3カドへ引き、全速のスタートを決めて豪快にまくった。三井所らしい3カド、そして攻めの姿勢が光ったレースだった。ゴール後には大きなガッツポーズが飛び出し、表彰式では涙がこみ上げるシーンもあった。

 昨年は一般戦でも4回優勝し、下関のチャレンジカップにも名を連ねた。そこでフライングに散ってしまったが、次節の芦屋周年でしっかり予選突破した。

 「やっぱりスタートは難しかったです。2本目は絶対に切れないので。17年は本当に調子が良かった。だからフライングしてしまってここで踏ん張れるかどうかが勝負と思ってました」。重たい足かせを持ちながら、年末最後のレースでも全力で挑む姿を見せた。今節はフライング休みを消化して、今年初めてのレースとなる。ここで結果を残せれば、今年もリズム良く戦っていけるはず。そういう意味でも大事なレースだ。

 地元からつは言わずと知れた得意水面。デビューしてからここまで76節と多くのシリーズを戦い、その内およそ半数の37節で優出を果たす活躍ぶり。「地元だと全然気持ちの入り方が違う」と、自然と気も引き締まる。今節も地元の主力の1人としてシリーズを引っ張る。

 ◆三井所尊春(みいしょ・たかはる)1979年(昭54)4月4日、佐賀県生まれ。88期生として01年5月からつでデビューし、その節の7走目で初勝利を挙げた。17年9月、多摩川周年でG1初制覇。同期に吉永則雄、益田啓司、吉村正明らがいる。171センチ、54キロ。血液型O。