下関ボートのG1第62回中国地区選手権が17日から開幕する。地元の白井英治を筆頭に昨年の覇者・前本泰和、一昨年の覇者・茅原悠紀が初日ドリーム戦の1~3号艇を占めシリーズを引っ張る。

茅原悠紀が魔のスパイラルに陥っているというのは言い過ぎか? 現に昨年12月の浜名湖周年では、通算5回目のG1制覇を果たしている。それでも、近況のレース内容には納得はしていない。

茅原 現状は技術的なものをなかなか生かせていない。

持ち味のウイリーターンやスピード旋回が、全盛時と比べるとやや影を潜めている、と自己分析する。原因は何か-。茅原は冷静に判断する。

「エンジンの調整を外している」。いいエンジンを引けていないのもあるが、数字のあるエンジンを引いても、前節で機力ダウンしたとか、下降気味など、リズムに乗れていない。さらに、「そんなエンジンを無理に調整を合わせようとすると、余計に分からなくなる」と迷宮にはまってしまう。調整方法に光が射しても、結果が出ないと精神面でも参ってしまう。

「こんな状態でも、いかにやけにならずに粘れるか。機力をカバーしようとスタートを行くとフライングを切る。機力が出てないときこそ、冷静に、粘り強く頑張りたいです」と課題を挙げる。昨年はフライングを2本切ってグランプリに出場できなかったのを、教訓にもしている。

「でも、はまってしまえば、自分でも驚くほど結果を出せてます」と本来の爆発力が衰えていないことは、自分が一番よく分かっている。「今は蓄えを作って、早めに悪い状態を抜け出したい」。そのきっかけを一昨年優勝、昨年準優勝の地区選でつかみ、現状から脱する。

◆茅原悠紀(かやはら・ゆうき)1987年(昭62)7月11日、岡山県生まれ。06年11月、99期生として児島でデビュー。その節の6走目で初白星を挙げる。初優勝は09年12月の宮島タイトル戦。12年9月の徳山新鋭王座でG1初優勝。G1通算優勝は5回。14年、平和島でのグランプリでSG制覇。同期は坂元浩仁、水摩敦、下出卓矢ら。171センチ、57キロ。血液型A。