やはりダービー王は、強かった。松浦悠士(30=広島)が盟友清水裕友のまくりに乗って追い込み、初の「夜王」の座に就いた。ビッグタイトルは5月の日本選手権以来5つ目。2着にはビッグ初決勝の山口拳矢、3着には阿竹智史が入った。

サマーナイトフェスティバル決勝ゴール。左は優勝した松浦悠士、中央は2着の山口拳矢
サマーナイトフェスティバル決勝ゴール。左は優勝した松浦悠士、中央は2着の山口拳矢

王者は全く動じなかった。「清水が止まったかな」と判断した最終4角。内を突いて山口が迫ってきても、慌てない。気配を感じながら、むしろ直線では力勝負で、踏み勝った。


「内を空け過ぎたかな、とか、いろいろ考えるところはある」。勝ってなお反省点を挙げるのには理由がある。5月の日本選手権を制してダービー王となり、次いで夜王の称号を獲得。「あとは賞金王だけですね」と不敵に笑う。今のモチベーションはグランプリ制覇とともに「年間最多獲得賞金記録を更新したい」。隙は一切、作りたくない。


サマーナイトフェスティバル初制覇を果たし、優勝賞金ボードを掲げる松浦悠士
サマーナイトフェスティバル初制覇を果たし、優勝賞金ボードを掲げる松浦悠士

充実の3日間だった。1つは頼もしい相棒・清水の復活。「今回の清水の出来なら、しっかり仕掛けられれば(勝てる)と思っていた」と背中越しに復調を感じ取った。そして清水も「2人で連覇、ということにしてください」と笑って勝者をたたえた。


そしてもう1つ。同県の町田太我と初めてのビッグ同時参戦。連係は実現しなかったが「2日目は強かったのに、最終日の競走だとG1ではまだまだ」と期待が大きいゆえの課題を与えた。その町田は、目の前で優勝を見せつけられ「すごいですね…。僕も追いつけるように」と直立不動で勝利者インタビューに向かう背中を見つめた。松浦の走りは、間違いなく後輩を奮い立たせている。


次はG1オールスター。東京五輪戦士の脇本雄太、新田祐大を迎え撃つ。函館に集まったファンの前で宣言した。「オールスターでは、バチッと決めたい」。五輪の“手土産”を持ち帰るであろう男たちとの夢の対決は、1カ月後だ。【山本幸史】


サマーナイトフェスティバル決勝成績
サマーナイトフェスティバル決勝成績

◆松浦悠士(まつうら・ゆうじ)1990年(平2)11月21日、広島市生まれ。市立広島工卒。競輪学校(現養成所)98期生として10年7月熊本でデビュー(予選1→準決3→決勝2)。19年小倉競輪祭でG1初V。今年は日本選手権に続きビッグレース2冠目。通算972戦277勝。通算獲得賞金は5億6516万8511円。168センチ、73キロ。血液型O。