真夏のシンデレラ決戦は大波乱の結果となった。4カドに引いた香川素子(45=滋賀)が恵まれでプレミアムG1初優勝を飾った。

滋賀支部勢の優勝は14年28回大会(三国)の水口由紀、昨年35回大会(浜名湖)の遠藤エミに続いて3人目。今年の女子獲得賞金額は6位に浮上し、2年ぶりのクイーンズクライマックス(住之江)出場に大きく前進した。


1番人気の実森美祐はインからコンマ06のフライングに散った。


レディースチャンピオン初優勝を果たして笑顔の香川素子
レディースチャンピオン初優勝を果たして笑顔の香川素子

97年5月のデビューから25年と3カ月。香川が遅咲きの大輪を咲かせた。スタート展示では3コース。しかし、起こしで回っていなかったこともあって、本番は4カドを選択。結果的に、これが奏功した。フライングの実森を除く5艇すべてがゼロ台の踏み込み。対岸の大型映像装置に「スタート判定中」の文字が映る。これには「絶対に、私だと思った」といったんは覚悟した。


優勝戦1周2Mを先頭でターンする香川素子
優勝戦1周2Mを先頭でターンする香川素子

それでも沈着冷静に1Mを立ち回ると、バックを伸びて2M先取り。そこから一気に平山智加を引き離し、栄光のゴールへと駆け抜けた。

「1Mは思うようなターンができたし、舟の向きも良かった。45歳で優勝できるなんて思ってもいなかったです」。


 
 

7年前、当地で行われた29回大会では予選トップ通過を決めたものの、準優で5着敗退と苦杯をなめた。それでも、名字が「香川」だからなのか、実は当地との相性はばっちり。19年9月、昨年12月のオールレディースに続いて3度目の優勝。「何か分からないけど、いいですね。7年前の忘れ物も取れましたからね」とほほえんだ。


夏の女王に輝いた次の目標は「賞金女王ですよね」とにやり。ひょうひょうとした中にも、強い決意で今後を見据えた。【工藤浩伸】


 
 

◆香川素子(かがわ・もとこ)1977年(昭52)1月8日、大阪府大阪市生まれ。80期生として97年5月の尼崎でデビュー。初勝利は97年6月の下関、初優勝は05年8月の鳴門。通算優勝は25度。息子は同じボートレーサーの香川颯太。同期には白井英治、平田忠則、白石健、重成一人ら。156センチ、48キロ。血液型AB。


レディースチャンピオン初優勝を飾った香川素子(共同)
レディースチャンピオン初優勝を飾った香川素子(共同)