東アジアE-1選手権2019(10日開幕、韓国)に臨む日本代表メンバー22人が4日、発表され、現在J1で首位を走る横浜F・マリノスのMF仲川輝人(27)ら10人が初招集された。加えて、東京オリンピック(五輪)世代のU-22日本代表が12月28日にトランスコスモススタジアム長崎(午後7時20分キックオフ)で、U-22ジャマイカ代表と対戦する国際親善試合に臨む選手19人も発表した。

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11月の国際親善試合ベネズエラ戦同様に、苦しいチーム編成となった。欧州組の主軸は呼べず、天皇杯4強に残ったチームも保護しなきゃならない。J1は7日まで試合があり、10日の中国戦で誰が使えるか疑問。「層を厚くする」強化策とはいえず、U-22代表世代を多く入れて「東京五輪へのサバイバル」にするしかなかった。少なくとも、28日のU-22ジャマイカ戦を含め、FWの定位置争いは興味の対象になるだろう。

同時に今回のメンバーでは日本代表としての積み重ねが乏しい。大敗したベネズエラ戦と同じく、初めての組み合わせが多いはずだから、簡単ではない。11月のU-22代表のコロンビア戦も堂安や久保らを投入して「最強チーム」と銘打ったが完敗。負けても「選手が育つ」という逃げ道はあるけど、今回は違う。アジアでタイトルをかけた大会では、日本は優勝こそが最大の目的だろう?

前回のE-1選手権ではハリルホジッチ元監督が指揮し、開催国ながら優勝できずに批判がくすぶり、同監督への不信感の火種となった。当時「(国内組だけで)ベストメンバーではなかったから」という話があったが、韓国も同じ条件だった。今回も中国や韓国がどんなメンバーかは関係なく、日本は優勝するしかない。そうでないと、19年の日本サッカー界は寂しい終わり方になるし、20年への希望もしぼむ。

帰省ラッシュ最中の28日に長崎で試合では、応援に行きたくても行けないファンも多いだろう。E-1選手権も含め、そもそも日程的に無理がある。果たして今回のメンバーから、来年1月のU-23アジア選手権、3月のワールドカップ(W杯)アジア2次予選、東京五輪に、何人が残るだろうか。(日刊スポーツ評論家)

選考理由について語る森保監督(撮影・横山健太)
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