【ネピドー(ミャンマー)16日=高橋悟史】若き日本代表が、日本サッカー底上げのために勝つ。U-19(19歳以下)日本代表が、U-19アジア選手権の準々決勝北朝鮮戦に挑む。勝てば4大会8年ぶりのU-20W杯進出が決まる。日本の世代別代表は今年、U-16W杯への出場を逃し、U-21世代もアジア大会ベスト8で姿を消した。世代別代表の最後のとりでとなるU-19が世界への扉をこじ開ける。

 気温35度のむせ返る空気の中、若き日本代表は声を響かせながら最終調整を終えた。練習場は直前に変更され、ピッチには雑草と砂が入り交じった。ここまで3得点を挙げてチームを引っ張るMF南野拓実(19=C大阪)は「離脱した2人(奥川、松本)の分はもちろん、日本にいるみんなのためにも、責任感を持ってW杯の出場権をつかみたい」と力を込めた。

 U-20W杯出場となれば4大会8年ぶり。北朝鮮に勝てば、準決勝以降も経験が積める。本戦出場が決まれば今大会後も、国際経験の舞台が待ち受ける。日本協会関係者によると、来年1月に同W杯開催国のニュージーランドで行われるプレ大会へも招待されるという。さらには、来年6月のトゥーロン国際大会(フランス)へも出場可能になる。将来のA代表を担う若い世代にとって、勝つと負けるとでは、経験の差が大きく違ってくる。

 今年は既にU-16代表がW杯への出場を逃した。U-16、U-19ともにW杯への出場(不参加を除く)を逃せば、87年大会を逃した86年以来28年ぶりという危機的な状況だ。

 よもやの初戦黒星(1-2中国)。ロスタイムに2点をたたき込んだ奇跡の2戦目(3-1ベトナム)。完勝の3戦目(2-1韓国)。南野は「1戦ごとに上がっている手応えがある」。あと1つ。世界への扉に手がかかっている。

 ◆U-20W杯

 05年大会まではワールドユース選手権という大会名だった。77年に第1回大会がチュニジアで行われ、2年ごとに開催。97年マレーシア大会から各大陸の予選を突破した23カ国と開催国の24カ国が参加している。出場できるのは開催年1月1日付で20歳未満の選手。日本は99年ナイジェリア大会で、FW高原、MF本山、小野らを擁し準優勝している。日本は07年カナダ大会以来、出場から遠ざかっている。