関東3部リーグ所属の東京学芸大MF半田祥真(22)が、来年1月からJ3・FC岐阜へ加入すると発表された。静岡学園時代は控えで、一般入試で大学進学した苦労人がプロ切符をつかみ取った。すでに特別指定選手としてデビューも果たしたファンタジスタがこのほど取材に応じ、これまでの道のり、今後の夢について語った。全2回の後編。【取材・構成=佐藤成】 ◇ ◇ ◇
2年のシーズン終わりに現監督の岩政大樹コーチからの助言を胸に、進化を遂げた。3年のリーグ戦では、毎試合のようにテーマを持って臨んだ。ポジショニングや突破、パスなど真剣勝負の中でもトライを続けた。すると、試合の中で余裕が生まれ、状況に応じて最善のプレーを選択できるようになってきたという。
「うまくいかなくても、客観的に見て修正できる感覚が身についてきた。例えば左で持ってちょっとはがせばゴールが見える距離の1対1の時に、ほぼ絶対シュートまで行ける自分の形みたいのができてきた。縦行ってシュートとか、シュートをにおわせてクロスとか、カットインしてシュートとか、カットインして股開かせてニアとか、そういうのが結構自分の中でなんか安定して身についた感じがあります」
心身共に充実。プレーに安定感が生まれ、最終局面でも冷静な判断ができるようになり、得点やアシストといった数字が自然と増えるようになった。
プロという夢をかなえる道のりは決して平らではなかった。高校時代に主力ではなかったことに加えて、親元を離れた大学入学後は、家庭の負担を減らすためにアルバイトも経験。「周りも結構やっているので」と事もなげに明かす。大手アパレルブランド「ユニクロ」では新店舗のオープニングスタッフも務めた。飲食店との掛け持ちをして、移動費などを稼いだ。「『ユニクロ』を辞めるときは『就活に専念します』と言ったので、まさか自分がプロになったとは思っていないと思います」と笑った。
一般入試で国立大へ合格し、4年間コンスタントにプレー機会を得て、プロの世界へ。周囲にプロを目指す選手は多くない。決して恵まれた環境ではなかったが、自分で考え、必要なことを身につけ、大きく進化した。「学芸に来てほんとによかったなと思います」とかみしめる。
「本当に1年生から試合も出させてもらったし、ボランチじゃなくてサイドハーフになったりしたのも、学芸来て多分アタッカーがいないくてみたいなところもあったと思う。大学2年と4年で岩政さんが来てくれる偶然的なところもあったし、そういうのも含めて学芸でよかったなと思います」
Jリーグが今季から秋春制に移行したため、契約は来年1月1日からスタートする。すでに特別指定選手ではあるが、大学4年の途中からプロ生活が始まる。
「もう本当にプロになってからがスタートだし、ここで自分の良さとか、結果とかを出さなければ、すぐに終わってしまう世界。そこは覚悟を持ってやっていかないといけない。でもそういうプレッシャーもある中で、自分が自分をどれだけ表現できるかみたいなところは楽しみながらやっていきたいなと思ってます」
今までサッカー人生は楽なものではなかった。はい上がってきたからこそ、上昇志向は強い。プロになってからの夢も口にした。
「とにかく早く試合に多く出て、自分のプレーでチームに貢献して、自分自身かチームかがJ3より上のところ、J2、J1でプレーして、自分が行けるところまでなんか上っていきたいなと思ってます」
チームを勝たせ、自身もともにレベルアップしていく。ピッチ上で経歴は関係ない。夢の舞台で勝負する覚悟はできている。



