<J1:東京1-0札幌>◇第5節◇5日◇味スタ

 競技生活12年目を迎えた「サリー」の魔法が、効いた。連敗阻止の使命を胸に、東京MF浅利が今季リーグ戦初先発。前半12分、ボランチの位置から攻撃参加し「相手の裏へ抜け出すスピードを生かしたい」という狙いどおり、カボレへの浮き球パスで先制点をアシストした。茂庭の故障離脱で連係面が不安なDF陣には「味方が攻めるときはラインを上げろ」と鼓舞。前節横浜戦で3失点完封負けしたチームを、今季ホーム戦初勝利に導いた。

 97年に入社した東京ガス人事部からの出向社員。指揮官が代わり、プロ契約の若手が次々と台頭しても、JFL時代からチームを支えてきた自負がある。昨季も開幕から1勝4敗の危機に先発復帰し、3戦連続無失点に貢献。「サリーさんがいれば安定する」という周囲の信頼は揺るがない。

 同じサラリーマン選手の大宮MF斉藤と励まし合ってきた。この日の戦友の2得点に「やるなあ。オレも負けられない」と闘志を新たにした浅利。いぶし銀の魔法が、今季も東京の力になる。