J2札幌がベトナム代表FWレ・コン・ビン(27=ソンラム・ゲアン)を獲得することが21日、分かった。今日22日に正式発表される。ベトナム1部の「Vリーグ」で同国選手最多の通算138ゴールを挙げるスター選手で、初のJリーガー誕生となる。札幌は現在、勝ち点35で9位。昇格プレーオフ圏6位入りに向けたキーマンと期待する。

 3月には、Jクラブとして初めてベトナム1部ドンタム・ロンアンとクラブ間提携。今度は同代表エースで、11年には日本戦出場経験もある人気選手を獲得し、チーム強化につなげると同時に、急増する東南アジアから観光客や、ホームゲームの観客動員増にもつなげたい。

 早ければ8月初旬に来日し、11日のホーム横浜FC戦(札幌厚別)でのデビューを目指す。札幌は外国人枠、アジア枠ともに埋まっているが、左アキレスけん断裂でリハビリ中の韓国人GK李が今季中の復帰が困難なため、契約を残したまま登録を抹消する。

 Vリーグは昨年、Jリーグとパートナーシップ協定を締結した。現在、ベトナム国内でJリーグ中継も放送されている。スター選手が日本でプレーすることにより、Jリーグの東南アジアでの認知度アップにつながりそうだ。

 ◆レ・コン・ビン

 1985年12月10日、ベトナム・ゲアン省生まれ。03年にソンラム・ゲアンでプロデビュー。04年にベトナム代表に選出され、同代表では55試合31得点。09年にはポルトガルのウニオン・レイリアに期限付き移籍し、ベトナム人選手として初めて同国リーグでプレーした。04、06、07年ベトナム年間最優秀選手。172センチ、72キロ。

 ◆ベトナムリーグ(Vリーグ)80年創立。07年からプロ化、ビンズオンFCが初代王者になった。現在はソンラム・ゲアンなど1部12チーム。12年からJリーグとパートナーシップ協定を締結。3月に1部ドンタム・ロンアンがJ2札幌とクラブ間提携するなど、日本との結びつきを深めている。