エイバルMF乾貴士(28)が、2部のテネリフェに移籍早々、体調不良でチームに合流できないMF柴崎岳(24)に対し「甘えたらいい」とアドバイスを送った。

 グラナダ戦の試合後、現地メディアにスペインへの適応に苦しんでいると報じられた柴崎へのコメントを求められると、自らの経験をもとに話した。

 「心配ですね。ただ、これを乗り越えればまた強くなると思いますし、やはりこういう経験は日本じゃできない。それは海外に一歩踏み出したからこそできること。あとは自分次第。チームメートも“助けてあげたい”とコメントをしている記事を読んだし、いいチームだと思う。“助ける”と言ってくれる時点で、いい奴はいるので、甘えたらいいんじゃないかと思います」

 乾はC大阪から2011年、ブンデスリーガ2部のボーフムへ移籍した。その海外生活1年目を振り返り「自分の場合はテセ(現清水FW鄭大世)さんがいたので、助けてもらっていた。チームメートも仲良くしてくれた。半年でテセさんいなくなって、チームも個人も良くなかった時にも、若い奴が声をかけてくれた。助けてくれるやつは、必ずチームに1、2人はいるもの。甘えればいいんじゃないかなと」。さらに「頼ればいい。最初なんてわからないし、自分じゃどうにもできないこともある。そこで強がって、“もういいから”となるよりは、甘えた方がいい。それができるようになればいろんなことが変わってくるんじゃないかと思います。あとは自分が成長することを考えるしかないので。あとは岳次第ですね」とアドバイスを送った。

 自らはグラナダ戦でリーグ戦14試合に出場。今季まだ無得点だが、チームから信頼され“居場所”を見つけている。「本当に幸せですね、このチームに来られたことは運命だと思う。とってくれたフラン(シニアディレクター)にも感謝ですし、監督、チームメートにも、すべてに感謝しかない。これだけいいチームに来られたのは奇跡としか言いようがない。すごく楽しくやれているので」と充実感を口にした。(山本孔一通信員)