どーもです。今日紹介するのは、キャスコのニューモデル「UFO Speed by POWER TORNADO」シリーズの#55です。「POWER TORNADO」といえばUTで一世を風靡した名器の系譜ですとね。記憶が確かであれば先代からヘッドの辺縁部にウイングが設けられたと思いますが、今作はその技術をさらに熟成させたようですね。ではどう進化したのか? 早速、いってみましょう。


まずは見た目から。


ソールを見ると、今回のネーミングンに「Speed」が加わった理由が、なんとなく想像できるのではと思います。トウ側に2本のブレードが設定されていますが、これによって接地面積が減り、HSの減速を抑える効果が期待できそうかなと感じました。恐らく、当たらずとも遠からずだと思います。なお、ブレード入り口あたりに角度が付いているため、入射角が急になり過ぎないとか、ブレードが潜り過ぎないとかの効果もありそうですね。なお、このソールですが、スピードソールと命名されていました。

フェースはセミディープ。ややトウ側が立って見えるので、アップライト気味に感じられ、つかまりがよさそうな印象を受けますよね。確実に先代とは別モノですね。

ボディはシャローかな。かなりの出っ歯モデル(フェースプログレッション値が大きい)ですが、まあこのあたりはPOWER TORNADOの伝統ですからね。

後ろ姿ですが、ある意味独特!

構えてみるとこんな感じ。ウイング部分の進化はもちろんですが、トウ側にややボリュームを持たせているクラウンも、ある意味最近の流れを取り込んでいるようにも感じました。

今回試打したのは、オリジナルシャフト「FalconShaft」Sフレックス装着モデルの#55。スペックは、ロフト角22度、ライ角59.5度、長さ39.75インチ、総重量339g、バランスD0。ヘッド体積125cm3。シャフトスペックは、重量50g、トルク4.0、中調子。

試打会場は東京・メトログリーン東陽町、ボールはブリヂストンゴルフのレンジ用2ピースボール使用。


持ってみた感覚ですが、重量的には軽め。グリップも、ボクが太め好きなことを差し引いても細め。シャフトを手でしならせてみると、先代のイメージよりも気持ち、全体的にしっかり感が増しているような感じ。数値的には全く変わっていませんが、バランスか、ヘッドとのマッチングなのか、それとも加齢による体力低下なのか、気持ちしっかり感があったように感じました。しなりポイントはちょうど真ん中あたり。ワッグルしてみると、それほどヘッドの動きは大きくない感じ。素振りしてみると、まあ、これは先代も同様ですが、バランスが軽い分シャープに振り抜けそうな印象はありました。


実際に打ってみると、さすが名器の遺伝子を引き継ぐモデルであって、王道の打ちやすさは外しませんね。これは先代もそうでしたが、3球平均の弾道がそろうのが、ボクレベルにはうれしいですね。その上で、先代との違いは何か? ボク的には、よりオートマチックにつかまるようになったのかなって感じました。ただし、スイングで逃がそうと思っても、その調整が結構難しかったかな。逃がすイメージというよりも、ややカット気味のイメージで打つと、ボクにとってはいい感じのストレートが打てるのですが、ややバックスピンが増えてしまい、距離が5yは落ちてしまうイメージでした。いつもの感覚で逃がすと、右に抜ける感じの出球が多いようにも感じましたね。まあ、ボクのような生粋のフッカーはともかく、HSがゆったり目のカット打ち系の方に、よりオススメしたいモデルかなって感じました。


なお、肝心なスピードソールの効果ですが、ぶっちゃけこれはわかりません!! レンジのマットでは無理でした。これは芝の上じゃないと、体感できるような効果は感じられないかもしれません。


スカイトラックの弾道データはこんな感じで

その各球データはこちら


【3球平均】

HS40.1m/s、初速53.7m/s、打ち出し角15.4度、バックスピン量4203.6rpm、サイドスピン-502.2rpm、飛距離197.6y

【ベスト】

HS40.6m/s、初速54.4m/s、打ち出し角14.8度、バックスピン量4250.3rpm、サイドスピン-549.5rpm、飛距離199.6y


打感はソリッド系。でも、芯を外すとやや硬さが増すので、ある意味どこで打っているのか、どこに当たったのかがわかりやすいクラブだと思います。音はやや高め。


弾道はこんな感じで


そのスカイトラックデータはこちら


弾道的には高弾道。ボールはめっちゃ上がりやすかったです。この辺はさすがですね! スピン量ですが、同時試打でないのでなんですが、データ的には先代よりも約800rpm少なくなっていました。見た目でも「スピン量少なそうだな!!」なんて感じますが、先代もロースピン強弾道って書いているので、新作は、さらにロースピンですね。


出球傾向ですが、ボクのスイングで、ドロー系。これはあくまでもボクの感覚ですが、先代よりもよりオートマチックにつかまる感じでした。よりオートマチックにつかまりやすい分、逃がすという意味において、スイングで操作しにくくなっているような気もしますが、実はスピードソールの影響もちょっと疑っています。というのは、あの2本のブレードです。あのブレードはヘッドが進もうとする方向を一定に保ってくれる効果もありそうなので、接地してからの軌道修正は何気に厳しいのかなって。あくまでもイメージですけどw


シャフトフィーリングと振り感ですが、やはりイメージ的には、先代よりも全体的に気持ちしっかり感が増していたようにも感じました。ボクが年を取ったのかもしれませんが、このままでも十分使えそうかなって…w


今回ボクが試打した限りでは、このスペックでHS38~42m/sあたりにオススメ。基本性格的には、オートマチック系UTは変わっていませんが、ボクの感覚では、よりオートマチックにつかまる感が増した感じかな。つかまりのいいクラブを少し逃がし気味に打つのが好きな方もいるかもしれませんが、正直、レンジで打った限りでは、いまいち逃がせない感じでした。“逃がす”という意味においての操作性は、先代に軍配ですが、まあ、そのような打ち方をする人はターゲットにはないと言われれば、「そりゃそうですよね!」といった感じかな。コアターゲットは、ゆったりボディターンタイプで、ややアウトサイドイン傾向が強いスライサーにドンピシャだと思います。新作は、そのターゲットをより明確に色づけているようにも感じました。

<キャスコ「UFO Speed by POWER TORNADO #55」UT>

■KAZ'sインプレッション(10点満点)

▽飛距離:9▽上がりやすさ:10▽操作性:7▽構えやすさ:8▽打感の柔らかさ:7▽ミスの許容度:9

■ヘッド:スーパーハイテン、SUS630

■シャフト(重量/トルク/調子):「Falcon shaft」(S=50g/4.0/、R=42g/4.5/中調子)

■価格:1本3万8500円 ※価格は税込み