2年連続賞金王の今平周吾（29＝ダイヤ）が、アベ80台を目指すアマチュアゴルファーにヒントを伝授する「ゴルフステップアップ　今平周吾　賞金王の技」。元ロッテ捕手で現在本紙評論家の里崎智也氏（45）を生徒役に、今より1歩上を目指すアマチュアにアドバイスを送ります。今回は、パター編としてスコアアップの上で最重要といっても過言ではないショートパットについて紹介します。（以下敬称略）

※動画はさらに高度な今平プロのレッスンです。

1メートル以内のショートパットは何があっても沈めたい。そう思っているアマチュアも多いはず。だが、これが思い通りに入らないのもゴルフだ。この距離のアベレージアマのカップイン率は8割ほどともいわれる。これが2メートルとなると、その半分以下となる。だが、PGAツアー100位以下の選手でも約6割のデータもあるため、今回は1メートル以内について紹介しよう。

今平　コツはスムーズに振ること。アマチュアの方は丁寧にという思いからか、ゆっくり振りすぎてヘッドがブレている人もいるように思います。肩の力を抜いてサッと振らないと安定しないような気がします。

アマチュアは「入れたい」という思いが強すぎるようだ。つまり、メンタル面の問題が大きい。

今平　確実にそうだと思います。楽しくやってれば入るのかもしれません。いろいろ考え過ぎるとよくないかな（笑い）。

練習グリーンで里崎が1メートルのパッティングを披露した。実際のラウンドではないが、取材陣やギャラリーもあり、それなりにプレッシャーはかかる状況。結果は100％カップインだったが、今平からのアドバイスはこうだ。

今平　しっかりフォローを出してあげるといいかもしれません。

里崎　当てて終わりのイメージでした。

フォローを意識して何球か挑戦。

里崎　フォローを出すことを意識するとテークバックも意識できますね。今まではあまりテークバックを意識せず、とにかくインパクトだけを意識していました。真っすぐのイメージも出しやすいですね。でも僕の場合、悪いときは大体押し出してしまうんです。

バックスイングでフェースが開くのに注意

バックスイングでフェースが開かないように注意しましょう

フェースの開きに注意し、頭とボールの距離が変わらなければ押し出すミスは減ります

今平　里崎さんはバックスイングでフェースが開く傾向があります。それと、テークバックに入ると、構えたときよりも頭がボールに近づいてしまい、窮屈になるのも一因です。もう少しゆったり構えて、頭とボールの距離が変わらなければ押し出すミスは減ると思います。

カップインを意識するあまりにミスが生まれるのであれば、あえてカップを狙わないという方法もある。

今平　打ち出す方向に、スパット（目印）を見つけて、ストロークとか関係なく、とにかくそこに打ち出すことだけに集中するという方法もあります。

ボールにラインを引くのはどうなのだろうか？

里崎　僕は引かないですね。それよりも、迷わずに打つほうが大切。どんなに曲がるラインでもしっかり決めて打つことが重要で、「本当にこれでいいのか？」と迷うと入らない。

今平　効果はあると思います。

“ゴルフあるある”なのが、お先にパットを外し、そこから崩れていくこと。

絶対入るという距離以外はマークしたほうがいいですね

ショートパットを決めてスコアアップにつなげよう

里崎　ありますよね（笑い）。僕の場合、ほとんど1人で回っているので、お先にパット自体が少ないけど、競技であれば100％入る自信がなかったらマークします。自分が出ているコンペは50センチ以内に入らないとOKが出ないので、その場合はマークですね。

今平　アマチュアの場合進行上の問題もあるでしょうが、プロは30センチとか100％入る距離でしかしない。微妙だなと感じたときはマークしていると思います。アマチュアの方も、絶対入るという距離以外はマークしたほうがいいですね。

◆今平周吾（いまひら・しゅうご）1992年（平4）10月2日、埼玉県生まれ。08年埼玉栄高校1年の時、松山英樹らを抑えて日本ジュニアで優勝。翌年高校を中退して渡米、IMGゴルフアカデミーで2年間腕を磨く。帰国後、11年にプロ転向。チャレンジツアー賞金王の資格で出場した15年シーズンに初シード獲得。17年「関西オープン」で初優勝。今年9月のフジサンケイ・クラシックなど現在ツアー5勝。18、19年と2年連続賞金王を獲得。20－21年シーズンとなった今シーズン、3季連続を目指す。165センチ、67キロ。

◆里崎智也（さとざき・ともや）1976年（昭51）5月20日、徳島県生まれ。鳴門工（現鳴門渦潮）－帝京大を経て、98年ロッテを逆指名しドラフト2位で入団。06年第1回WBCで優勝した王ジャパンの正捕手として活躍。08年北京オリンピック（五輪）出場。オールスター出場7度。実働15年で通算1089試合、890安打（打率2割5分6厘）、108本塁打。14年に引退、15年から本紙解説者に就任。19年には自身のYouTubeチャンネルを開設、登録者数は約42・2万人（21年3月現在）。ゴルフのスコアはアベレージ「85」。175センチ、94キロ。