若林舞衣子(28=ヨネックス)が史上6人目の「最終日にホールインワンを決めた優勝者」となった。

 首位との4打差を追ってスタートし、1番でバーディー。続く2番パー3(153ヤード)で6番ユーティリティーを使い、ホールインワンを決めた。右から左にスロープの入ったグリーンに対し、ピン右10メートルにキャリーさせ、ボールは傾斜に沿ってカップに転がり込んだ。

 「入った瞬間は見えました。ラッキーとは思ったけど『まだまだこれから』と自分に言い聞かせて」と喜びを押し殺してプレーを続行。序盤2ホールで首位との差を3打も詰めた勢いに乗り、この日のベストスコアタイとなる66で逆転優勝をさらった。

 「本当に信じられません。まだ実感がわかなくて」と公式会見で首をかしげた。岡本綾子門下の先輩・表純子が先週のTポイントレディース最終日にホールインワンを決め、特別賞の300万Tポイント(300万円相当)を手にした。「Tポイントの練習ラウンドで、300万ポイントの話をしていて『舞衣子がとってよ』と言われていたんです。純子さんに続きました。ホールインワンの話は、してみるもんですね」と笑った。

 “持ってるキャディー”のパワーも後押ししたのか。バッグを任せていた宮川恭輔キャディー(35)は、2週前のプロギアレディースで全美貞の優勝をサポート。その際、全美貞は最終日の最終18番で、OBゾーンに打ち込んだと思った第1打がパームツリーを直撃し、セーフになる“奇跡”があった。宮川キャディーは「あの18番で、今度はホールインワンでしょ? 僕もちょっと信じられません」と驚きを隠さなかった。

 12年西陣レディース以来となる5年ぶりの3勝目は、ミセス初V。昨年3月20日に会社員の佳和さん(34)と結婚、同12月23日に都内で挙式したばかり。「知り合ったのが12年の秋なので、つきあってる間も勝てなくて。いつも『頑張れ、頑張れ』と励ましてくれるし、一緒にいる時間はリラックスできる。主人の前で1勝はしたかったんです」。自宅が都内のため、今回は佳和さんがコースに駆けつけられなかった。「今年の目標は過去最高の賞金額(08年5005万7538円)を超えること。1勝じゃ無理だから、2勝はしないと」。次こそ、愛する夫の目の前で、優勝を決めるつもりだ。