下町の小工場と「一緒に大きく」巨人浦田俊輔と川相昌弘コーチとグラブ職人が紡ぐ物語

夢が重なったグラブで戦う選手がいます。巨人浦田俊輔内野手(23)はプロ1年目の昨季から、東京都墨田区の製造販売メーカー「GRIT」のグラブを愛用しています。社員3人の下町の工場で作られ、プロ選手ではただ1人、ブランドロゴ「TRINITY」のマークをつけてグラウンドを駆けます。川相昌弘ディフェンスチーフコーチ(61)、同社の佐々木一行代表と橋本圭司さん、そして浦田選手。「一緒に大きく」。そんな思いを込めたグラブができるまで-。(本文は敬称略)

プロ野球

★主な内容

  • 川相コーチがグラブに求めたもの
  • 新興メーカーのグラブ作りへの情熱
  • 「TRINITY」のロゴグラブで戦う浦田選手の思い

◆浦田俊輔(うらた・しゅんすけ)2002年(平14)8月30日生まれ、長崎市出身。放虎原小1年から軟式野球を始め、海星中では海星シニア。海星高で2年夏に甲子園出場。九産大では1年春からベンチ入りし2年秋から正遊撃。24年ドラフト2位で巨人入団。1年目の昨季、開幕1軍入りし、開幕戦の3月28日ヤクルト戦(東京ドーム)に代打で出場し、デビュー。昨季は22試合、11安打、打率2割8厘、0本塁打、4打点。遠投117メートル。50メートル走5秒8。171センチ、67キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸1300万円。

巨人対中日 試合前練習で巨人浦田俊輔(左)は川相昌弘ディフェンスチーフコーチと守備練習をする(撮影・滝沢徹郎)

巨人対中日 試合前練習で巨人浦田俊輔(左)は川相昌弘ディフェンスチーフコーチと守備練習をする(撮影・滝沢徹郎)

守備で名をはせた名手川相の夢の第1歩

「よし、やろうか~」

川相の声がベンチ前で響く。

試合前の全体練習。いつもその時間はやってくる。

「川相塾」

大手予備校の社名をもじって、本人も自著にその名前を冠する。

守備で“合格”を目指す若者が集う特別講義だ。

門下生筆頭である浦田の手には、つやつやに磨かれた、見慣れないグラブがはめられている。

一つは板の形をしており、もう一つは、ごく小さい。

使い分けながら、川相が投げ、打つボールを動いて捕球させていく。

そのロゴには、どこかで見た有名ブランドのようなマークが。

「これ、ティファニーみたいでしょ。最初、おれもそう思ったもんなあ」

バント、守備で名をはせた名手がうれしそうに、大事そうに説明してくれる。

「これはね、本当にいいんですよ。ここ、板のグラブも、ポケットができてるでしょ。くぼませてもらったんだよね」

大手メーカーのブランドマークはどこにもない。

「TRINITY」の文字が、唯一無二感、一点物を示すように誇らしげだ。

この道具こそ、川相の夢の第1歩だった。

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2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて17年。25年4月に初の異動で野球部へ配属となりました。競技経験はありませんが、現在は息子が通う少年野球チームで“球拾い”コーチとして奮闘中。記者としても、様々な話題を拾います。ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。クラフトビール好きです。