2打差8位から出た世界ランク4位の松山英樹(25=LEXUS)は4バーディー、3ボギーの71で回り、通算6アンダーの210で首位と6打差の14位となった。

 8番で残り203ヤードのセミラフから7番アイアンでピンそば60センチにつけるスーパーショットを放つなど、前半で2つスコアを伸ばした。一方で危機感を抱いていた。練習場から右に出ていたショット。さらに「1日1日、フィーリングは変わるものだと思う。ただ、それが、ちょっと変わりすぎている。何かいい方法はないかなと思いながらやっています」。前日の「65」を支えたパットの手応えが薄かった。

 トップと1打差で折り返したが、10番で1メートルのパーパットを外して後退。288ヤードの15番パー4では3番ウッドで1オンを狙ったが、手前の深いバンカーに落ちてボギー。「だいぶショットが良くなってきていたので、簡単に『3』を取れる方法がないかなと考えた。後々考えれば、やっぱり、レイアップの方がリスクは絶対に少なかった。昨日までだったら、レイアップしていたかなという感じはあります。ショットが良くなってきた分、そういう欲が出てきたのかもしれないですけど…」と悔しそうに振り返った。

 18番はティーショットを右の深いラフに入れながら、バーディーで締めた。117度目となる全米オープンで、最終ラウンドに6打差以上を逆転した例は2度。決勝ラウンドに残った68選手で世界ランク最上位は松山であり、その松山よりスコアで上にいる13選手は誰もメジャーを勝ったことがない。「だいぶ開いてしまいましたけど、ビッグスコアが出せれば、まだまだ諦める位置ではないと思う。ビッグスコアを出すしかない」。ラスト18ホールを見据える視線は、力強さを失っていない。