17歳の吉本龍斗(滋賀短大付高2年)が単独首位に立った。4バーディー、3ボギーの71で1アンダー。15年日本女子オープンの会場となった難コースを攻略し、出場138人でただ1人アンダーパーだった。ドライバーの平均飛距離は300ヤード。松山英樹(25)に憧れる未完の大器が実力を見せ、今日10日の最終日に初優勝を目指す。

 

 実力は本物だ。将来性豊かな吉本が、いきなり非凡な才能を見せつけた。

 出だしの1番パー5。残り70ヤードの第3打をピンそば10センチにピタリとつけた。楽々とバーディースタート。コースに隣接する小松空港から時折、航空自衛隊の戦闘機が離着陸する爆音が響く。13番パー3でも7メートルを沈めてバーディー。17歳の高校2年生はふと空を見上げ、戦闘機が飛び交う様子を見つめる余裕すらあった。

 「そんなに難しいコースとは思わなかったです。最初のホールでいいアプローチができたのが良かった。できれば優勝したいです」

 プロを目指す未完の大器だ。既に国内ツアー4試合に出場。10月下旬のマイナビABCチャンピオンシップ(日刊スポーツ後援)は通算2オーバーの70位で予選落ちしたが、アマチュアのライバルで石川遼の弟航(17=浦和高)が9オーバーの91位だったことを考えれば、プロで通用するレベルに成長している。

 「将来の夢は米ツアーで活躍する選手になりたい」

 姉七海(19)は今年のプロテストを受験。惜しくも2次で落ちたが、きょうだいで同じ道を歩む。「最終日もいいスコアを出したい」。大会初優勝を自信にして、プロへの階段を上る。【益子浩一】

 ◆吉本龍斗(よしもと・りゅうと)2000年(平12)5月23日、滋賀県高島市生まれ。7歳からゴルフを始め、滋賀・新旭南小時代の12年に関西小学生選手権で優勝。滋賀県ジュニア選手権は12、15年と2度優勝。湖西中から滋賀短大付高に進学。得意クラブはドライバー。ベストスコアは66。177センチ、82キロ。