賞金王争いは最終戦、日本シリーズJT杯(30日開幕、東京よみうりCC)に持ち越されることが決まった。

 第1日に101位と大きく出遅れた賞金ランクトップの小平智(28=Admiral)は寝違えた首の状態が日ごとに回復。101位→54位→29位と順位を着実に上げ、最終日も6つ伸ばして通算8アンダーで8位に食い込んだ。「(第2日から)3日間、諦めずにできたのは収穫」。大会前に契約メーカーから届けられた、10月に割れたエースドライバーに替わる1本も「最高」とうなずく仕上がりだという。昨年2位だった日本シリーズJT杯へ「自分のゴルフができれば上に行くと思う」と気合を入れた。

 約1700万円差で追う2位宮里優作(37=フリー)は小平と同じ8位。「ちょっとでも(差を)縮めたかったんですけど…」と唇をかんだ。フェアウエーからグリーンを外す場面もあり「100ヤード以内のショットで課題の残る1週間でした。バーディーチャンスにつけたいのに、ボギーになりそうなショットばっかり。流れを切ってしまった感じが大きかった」と爆発できなかった要因を挙げる。「もう優勝しかない」と話す通り、最終戦優勝が唯一の逆転戴冠条件。13年にツアー初優勝を飾った思い出の舞台で再び勝ちにいく。

 賞金ランク3位チャン・キム(27=米国)、ランク4位の池田勇太(31=フリー)も最終戦優勝ならチャンスは残されている。昨年2位の前週ダンロップ・フェニックスが11位、ディフェンディングチャンピオンの今大会が21位と狙った試合で勝てず「オレの年じゃなかった」と悔しがった昨季賞金王の池田だが、まだ逆転は可能だ。

 

 ◆賞金王戴冠条件(日本シリーズJT杯)

 ▼宮里優作 優勝のみ(優勝すれば小平の結果に関係なく逆転)

 ▼チャン・キム 優勝した上で小平が3人以上の2位タイ以下

 ▼池田勇太 優勝した上で小平が5位タイ以下(小平が4位タイの場合もタイの人数次第で可能性あり)