女子プロゴルフの今季ツアーが、明日3月1日から沖縄・琉球GC(6558ヤード、パー72)で行われるダイキン・オーキッド・レディースで開幕する。昨夏のプロテストに合格した北海道栗山町出身の田村亜矢(20=大東建託)は、昨年末から男子ツアー通算94勝の尾崎将司(71)に師事。「ジャンボ軍団」の一員としての挑戦が始まる。

 今季ツアー前半戦出場をかけたファイナル・クオリファイング・トーナメント(QT)を3位通過してから約2カ月半。田村は蓄えた技術と自信を沖縄で開放する。「神様のような方から教えていただいたことを、コースで少しずつ実現したい。まずは(来季)シード権獲得が目標」と目を輝かせた。

 昨年末に尾崎の息子智春(46)から、ゴルフ界のレジェンドである父を紹介された。「ボールを打ってみな」とうながされ、目の前でクラブを振った。翌日からジャンボ軍団の一員として千葉県内での練習に参加。午前7時から午後5時まで、指導を受けた。

 アイアンの精度を高めるため、インパクトの位置を約20センチ前に移動。スイング技術も“飛ばし屋”に伝授され、240ヤードだったドライバーの飛距離は目標としていた260ヤードまで伸びてきた。「まだ安定性と正確性が足りない。納得のいくスイングができることもありますが、過信することなく、強くなるため覚悟を決めて練習に臨んでいます」。そんな田村に、ジャンボは「まだ普通だな」と一言。さらなる精進を求められている。

 母校東北高の先輩に続きたい。在校生だった4年前のソチ五輪、体育館で応援した羽生結弦(23)が平昌五輪で2大会連続の金メダル。米メジャーで活躍するダルビッシュ有投手(31)は、カブスと6年総額163億円超の大型契約を交わした。沖縄は、女子ゴルフ世界ランク1位になった宮里藍さん(32)の故郷でもある。「(東京五輪の)日本代表も、海外ツアー参戦も頭にはあって、強気に行きたい気持ちはありますけど、実力はまだまだ。まずは欲張らずに、成長することが大事」。スケールの大きな先輩たちを追いかけ、“ジャンボ”なスタートを切る。【中島洋尚】

 ◆ジャンボ軍団 ツアー通算94勝の尾崎将司の弟2人や、尾崎を慕う選手、師事する選手らで結成され、合同自主トレなどを行っている。現メンバーには実弟の尾崎健夫(ツアー16勝)と尾崎直道(35勝)息子の尾崎智春(未勝利)と、川岸良兼(6勝)飯合肇(14勝)小山内護(5勝)らがいる。