米ツアーのRBCヘリテージで優勝してから初のツアー出場となる小平智(28=Admiral)は1イーグル、2バーディー、3ボギーの69で回り、1アンダーで首位と4打差の21位発進だった。日米の芝の違いに戸惑いながらアンダーパーにまとめ、同組の石川遼(26)宮里優作(37)とともにギャラリーを沸かせた。星野陸也(21)とアンソニー・クウェイル(23=オーストラリア)が5アンダーでトップに並んだ。

 同組は10年大会最終日に「58」を出して優勝した石川と昨年大会覇者で名古屋に拠点を構える宮里優。この和合でひときわ大きな声援を浴びる2人に挟まれながら、小平の存在感も際立った。「『おめでとう』と言ってくれたり、僕の応援をしてくれる方も結構いて、うれしかった」。7番でバンカーからピタリと寄せた場面では「米国仕込み!」の喝采も。「僕はまだ1カ月半くらい。どちらかといえば、遼の方が米国仕込みだと思う。遼も言ってました。『オレの方が米国仕込みって言ってほしい』って」と笑った。

 1月から海外転戦を続け、久々となる日本の試合。米国に比べ、日本の高麗芝のフェアウエーはやや球が浮いている感覚があり、ラフからのフライヤーも大きくなる傾向があるという。「打ち込むと(球が浮いている分)下に隙間があるので、上っ面に当たってしまったりする。アジャストが難しかった」。2番パー5では残り257ヤードから5番ウッドでピンそば3メートルに2オンしてイーグルを奪取するなど、適応段階ながらアンダーパーをマークした。

 前週、親交のある尾崎将司のもとを訪れて米ツアー優勝を報告した。「ホントに喜んでくださって、うれしかった。練習場にいたジュニアの子どもたちにも『お前ら、運がいいな!』って紹介してくれて」。今季初戦となる中日クラウンズに向けて調整していたレジェンドと一緒に練習やトレーニングで汗を流し、今大会に臨んだ。

 ラウンド中、石川からは向いていそうな米国のコースなどの助言ももらった。「それで(出た結果が)いい成績じゃなかったら困るので、今は(どこか)言わないです」と笑わせた。ファン、大先輩、仲間…。周囲の温かさをかみしめながら「明日も攻めていきたい」と誓った。【亀山泰宏】