予選会から出場の比嘉一貴(23=フリー)が、国内ツアーデビュー戦でのプロ初優勝を視界に捉えた。6バーディー、2ボギーの68で回り、4アンダーで首位と1打差2位。プロ初戦で優勝すれば84年の渋谷稔也以来、日本人3人目の快挙になる。昨年のQTでスコア誤記による失格となり、屈辱を糧に好発進した。野仲茂(47)が5アンダーで首位に立った。

 小さくても強い。身長158センチの比嘉が、徹底したコース戦略で好発進した。1番パー4で第2打を4メートルにつけバーディー。続く2番パー5でも第3打を20センチにつけた。いずれも残り120ヤードをピンそばへ。10、15番でも同じようにバーディーを重ねた。「(120ヤードは)スピンで止めやすいので確実にピンを狙える。明日も計画を貫き通したい」。国内プロデビュー戦で優勝すれば、日本人では34年ぶり3人目。快挙達成へ、首位とは1打差2位だ。

 苦い経験がある。昨年のサードQTでスコア誤記により失格。東北福祉大で先輩の松山から電話がきた。「『何があった』と聞かれて、正直に言うしかなかった。めっちゃ怖かった」。その松山から「早く海外に出ろ」と助言を受け、アジアンツアーへ。4月にバングラデシュ開催の下部ツアーで初勝利した。今大会で優勝すれば松山のプロ2戦目を超える。「期待値が高くなりますね」。小柄な男が目をギラつかせた。