小祝さくら(20=ニトリ)が2バーディー、1ボギーの71で回り、通算8アンダーの136で単独首位の座をキープして初優勝に王手をかけた。

 前半で2つ伸ばして折り返し、最大瞬間風速12・1メートルを記録した後半は耐える展開が続いた。「ホントに難しかったです。最後の方は(グリーン上で)ボールが揺れたりするから、やむのを待ったりもしました。風の波と強さがすごかった」。14番で1・5メートルのバーディーチャンスを「ラインの読み違い」で逃した直後、15番で3パットボギー。今大会初のボギーだったが「『まあ、しょうがないかな』みたいな感じで。意外とダメージはなかったですね」と笑ったほど引きずらなかった。

 ゴルフで緊張したのは初めてプロツアーに出た試合のティーショットくらい。ツアールーキーとして戦う今季の緊張した瞬間は、4月に韓国の男性7人組ヒップホップグループBTS(防弾少年団)の横浜アリーナでのライブにいった時だという。「前から2列目で(ステージと)席が近すぎてビックリしたんです」と、ほほ笑んだ。

 度胸の良さを感じさせる一方、勝みなみや新垣比菜といった「黄金世代」の一角との声に「自分はまだまだです」と言ってはばからない。「アマチュアの時の全国大会も、基本はみなみちゃんとか他のうまい子がタイトルを争っている中、私は予選を通れるか通れないかというところで戦っていました。ホントにレベルの差を感じていたんです」。プロとして地道に経験を積み重ねる今でも「(自信は)あまりないです、ホントに」と強調する。

 「思い切って、自分らしいプレー、悔いのないようにプレーができたらいいなと思います」。どこまでも謙虚に、頂点をうかがう。