畑岡奈紗(19=森ビル)が、米ツアー初優勝にあと1歩と迫った。首位と1打差の2位で迎えた最終日も、4アンダー、ノーボギーの通算14アンダーで、アリヤ・ジュタヌガーン(タイ)田仁智(韓国)のメジャー優勝経験者と並ぶ1位でホールアウト。プレーオフでは惜しくもアリヤに敗れたが、米ツアー自己最高の2位と、次へつながる成果を収めた。上原彩子は8アンダーで10位だった。

 優勝に最も近づいたのは18番パー4でのプレーオフ1ホール目だった。畑岡の第2打はピン奥2・5メートルにピタリ。7メートルの田仁智、6メートルのアリヤにプレッシャーをかけるには十分だった。田仁智は外したが、アリヤは最後のひと転がりでバーディー。畑岡もバーディーを決めたが、元世界ランク1位でメジャー優勝経験者の力を思い知らされた。

 結局2ホール目で、第2打がグリーンをオーバー。アリヤにバーディーを奪われ、畑岡の挑戦は終わった。「プレーオフまでいけたので自分のベストは尽くせたと思う」と試合後口にした。それでも「最初のパットはボールを置くのに手が震えた」と告白した。

 4月下旬のメディヒール選手権で初のトップ10となる7位から、1カ月もたたないうちに2位を達成。今大会では66、66、67と3日間を通しノーボギーと、驚くほどのスピードで進化を続ける。18番で戦いを見守った母博美さんも「ノーボギーでプレーできたことが、今からの、奈紗のゴルフ人生にとって、すごい自信になったと思う」と喜んだ。

 来週はボルビック選手権、そして再来週は今季メジャー第2戦の全米女子オープンと続く。「今は体の状態も技術的にもすごくいい。女子オープンに照準を合わせたい」とコメントにも自信があふれた。