日本ゴルフツアー機構(JGTO)は6日、ツアー通算31勝の永久シード選手、片山晋呉(45=イーグルポイントGC)に対し懲戒・制裁委員会で処分を検討すると発表した。

 5月30日に行われたツアー選手権森ビル杯の開幕前日のプロアマ戦で片山がアマチュアの招待客に不愉快な思いをさせ、プレーを断念させたとしている。JGTOの準則には「(プロアマで)同伴アマチュアに不適切な対応をしたり、不快感を与えるような態度をしてはならない」と明記され、違反すれば懲戒・制裁の対象になると定めている。青木功会長も「極めて深刻であると受け止めております」とコメントを寄せた。

 各ホールから一斉にスタートする「ショットガン方式」が通例のプロアマ戦では、前の組のプレーを待つ時間が長くなることも少なくない。JGTOは片山の行為について明らかにしていないが、待ち時間も黙々と自分の練習に専念していた片山の対応に不快感を覚えた招待客の1人が、わずか1ホールでプレーを切り上げたという。

 すでに当事者から聞き取りを済ませ、今後、外部弁護士を含む調査委員会を設置。2週間程度で結果を公表し、今月中に懲戒・制裁委員会で片山の処分を決定する。その上で再発防止策の徹底、選手会とともにプロアマ戦への意識改革を進めていくとした。調査の進捗(しんちょく)状況、処分内容によっては、直近の試合となるダンロップ・スリクソン福島オープン(21日開幕)出場に影響を及ぼす可能性も出てきそうだ。

 ◆片山晋呉(かたやま・しんご)1973年(昭48)1月31日生まれ、茨城県下館市(現筑西市)出身。ゴルフ場経営の父親の影響で2歳からゴルフを始める。水城高から日大に進学し、日本学生選手権などに優勝。95年にプロ転向し、00年に初の賞金王。04年から3年連続賞金王となるなど、ツアー31勝をマーク。史上7人目の永久シード選手になる。海外でも01年全米プロ4位、09年マスターズも4位と活躍。16年リオ五輪には日本代表として出場した。171センチ、70キロ。

 ◆プロアマ大会 トーナメントの主催者やスポンサーが大切な客を招いてもてなす大会。開幕前日にプロ1人、招待客3人によるチーム対抗戦で行われるのが一般的。参加選手は賞金ランク上位者やスポンサーから推薦のあった選手。プロは、会話や技術指導でアマチュアをもてなすことを求められる一方、コースチェックなど試合に向けた最終調整の側面もある。欠場すると罰則があり、男子ではプロアマを途中棄権してコースを離れた場合は本戦に出場できない。JGTOでは人気低迷を受け、プロがアマチュアと同じティーグラウンドからプレーするなど、プロアマの満足度を高める取り組みを進めている。