川村昌弘(25=antenna)が念願の全英オープン(19日開幕、カーヌスティ・リンクス)に初挑戦する。

 「ゴルフを始めた子どもの頃、一番最初に描いた将来の夢が『全英オープン優勝』だったんです」。1860年に始まった世界最古の大会という歴史に心ひかれた。マスターズを目標に挙げる選手も多いが「自分は“全英派”でした。来られたのは、本当にうれしいですよ」と喜びがあふれる。

 「旅人ゴルファー」として世界を飛び回り「イングランドとスコットランドで分けるなら、38カ国目になります」と笑う。日本からコースまでの“ルート”にも独特のこだわりがあふれる。日本時間10日に日付が変わったばかりの深夜便で出発し、ロンドンから車で北上。「普通は(コース近くまで)飛ぶんですけどね。それじゃあ、味気なくてつまらない」。第1回大会が行われたプレストウィックを回り、聖地セントアンドルーズのオールドコースを飛び込みでラウンドもした。

 15日にはアマチュア時代のナショナルチームでルームメートでもあった小平智(28)と練習ラウンド。「うれしかった。小平さんがすごく喜んでくれたのが、特にうれしかった」。川村の言葉を伝え聞いた小平も「(川村)昌弘は学生の時から全英に出たいと言っていて『全英なら優勝できる』と言っていた。僕の夢はマスターズで優勝することで、まず最初の目標は出ることだった。(自分が今年マスターズに初出場して)同じ年に2人とも1つの目標がかなった。昌弘とは(日本の)初優勝も同じ年だったし、何か縁があるのかな。お互い、いい成績で終われたらすごくいい」と声を弾ませた。

 学生時代に語り合った夢への1歩を刻んだ2人がコース上で再確認したのは「また、ここからだ」。川村は「まだスタート地点です。これから何度も出場したい」と力を込めた。